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メキシコドル
メキシコドルはメキシコを中心にラテンアメリカ各国で鋳造された、8レアル銀貨である。貿易決済に用いられスペインなどヨーロッパ諸国、中国など東アジア諸国にも大量に流入し流通した貿易銀であった。 額面は8レアルであるが、アメリカにおいて1ドル銀貨として通用したことからメキシコドルと呼ばれるようになった。中国および日本ではメキシコを墨西哥と表記するため墨銀とも呼ばれ、外国から流入した洋銀の主流的位置を占めた。日本ではドルラル、ドロ銀などとも呼ばれた。 == 概要 == スペインの植民地時代発行のものはピラードル(スペインドル)と呼ばれる、ヘラクレスの柱を描いた大型銀貨であったが、1821年のメキシコの独立後は鷹洋(狭義のメキシコドル)と呼ばれる鷲をデザインしたものとなった。ピラードルの鋳造は1535年に始まりメキシコの独立前後まで発行され続け、独立後は1824年から1897年までは8レアル銀貨、1898年から1905年までは1ペソ銀貨として発行された。この間に量目、品位共に殆ど変化が見られず、最初に発行されたもの(27.468グラム、品位93.05%)より数%の銀含有量の低下が見られたのみで、1824年以降に発行されたものは規定量目27.073グラム、規定品位90.28%と一定していた〔Chester L. Krause and Clofford Mishler, Colin R. Brucell, ''Standard catalog of WORLD COINS'', Krause publications, 1989〕。直径は約38ミリメートル。総鋳造量は1903年までに約35.5億ドルに達した〔三上隆三 『江戸の貨幣物語』 東洋経済新報社、1996年〕。 鋳造所はアラモス(ミントマークA, As)、レアル・デ・カトルセ(Ce)(Ca)、クリアカン(C, Cn)、ドゥランゴ(Do)、メヒコ州(EoMo)、グアダラハラ(Ga)、Guadalupe y Calvo(GC)、グアナフアト(Go)、エルモシージョ(Ho)、メキシコシティ(Mo)、オアハカ(O, Oa)、サン・ルイス・ポトシ(Pl)、サカテカス(Zs)と多岐に亘る。同様にスペインの植民地であったボリビア、チリ、ペルー、ニカラグアでも鋳造された。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「メキシコドル」の詳細全文を読む
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