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メタフィクション メタフィクション(Metafiction)とは、フィクションについてのフィクション、小説というジャンル自体を批評するような小説のこと〔川口喬一、岡本靖正 編 『最新 文学批評用語辞典』 研究社出版、1998年8月、270頁。ISBN 4-426-11302-4。〕〔『カタカナ・外来語/略語辞典』、自由国民社、1999年10月、636頁。ISBN 4-426-11302-4。〕。メタフィクションは、それが作り話であるということを意図的に(しばしば自己言及的に)読者に気付かせることで、虚構と現実の関係について問題を提示する〔パトリシア・ウォー著 『メタフィクション: 自意識のフィクションの理論と実際』 結城英雄訳、泰流社、1986年7月、13頁。ISBN 4-88470-534-3。- 原タイトル:''Metafiction''。〕。メタフィクションの自己言及の方法には、例えば小説の中にもうひとつの小説について語る小説家を登場させたり、小説の内部で先行作品の引用・批評を行ったり、小説の登場人物を実在の人物や作者と対話させたり、あるいは作者自身を登場人物の一人として作品内に登場させる、といったものがある〔巽孝之 『メタフィクションの謀略』 ちくまライブラリー、1993年、I頁。ISBN 4-480-05195-3。※2001年3月に『メタフィクションの思想』としてちくま学芸文庫から再刊。〕。小説の登場人物のセリフで「これは小説」などの発言もこれに類する。 メタフィクションの傾向ないし機能は潜在的にはあらゆる小説に多かれ少なかれ存在していると言えるが〔前掲、ウォー 『メタフィクション』 17頁。〕、古典文学における典型的な例としては、語り手が自分の語る物語の脱線について絶えず弁解をおこなうロレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』が挙げられる〔。現代小説における実践としては「あなたはいまイタロ・カルヴィーノの新しい小説を読み始めようとしている」という書き出しではじまるイタロ・カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』などが挙げられ〔、ポストモダン小説はその多くがメタフィクションの傾向を持っている〔。 「メタフィクション」という用語は、アメリカ合衆国の批評家・小説家の1970年の論文から使われはじめたものと推測されている〔。日本では1983年、筒井康隆などを論じた高橋康也の「メタフィクション覚え書き」(『新潮』5月号)から一般化した〔〔高橋康也「メタ・フィクション覚書――筒井康隆論のための小さな助走」、『新潮』第80巻第6号、新潮社、1983年6月、 218-228頁。〕。 == 出典 ==
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