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メタマテリアル メタマテリアル()とは、光を含む電磁波に対して、自然界の物質には無い振る舞いをする人工物質のことである。「メタマテリアル」という語句自体は「人間の手で創生された物質」を示すが、特に負の屈折率を持った物質を指して用いられることがあり、「電磁メタマテリアル」という表現も認められる。 == 概要 == 光は電場と磁場が交互に生成されて伝播していくタイプの波、つまりは電磁波であり、物質との相互作用は比誘電率と比透磁率で示され、光の屈折率は二つの物理量の平方根を掛けた値となる。自然界にあるほとんどの物質は、可視光付近の波長の光の電場と相互作用はするが、光の磁場とは相互作用しない。つまり、自然界にある物質の比透磁率の値は1.0であり、屈折率は電場との相互作用の大きさ、比誘電率だけで決まるというのが、それまでの光学の世界の常識とされてきた。ところが、光の磁場の波と相互作用する人工物質として電磁メタマテリアルが登場したことによって、さまざまな屈折率を持つ物体が作れるようになった。「メタ」とは「超越した」という意味であり、「電磁メタマテリアル」は、「従来の光学の常識を超越した物質」という意味である。その実現には、光の波長よりも小さなナノスケールのコイルを物質中に無数につくることなどが必要となる。光を用いて金属をナノスケールで3次元に加工する技術や、ダストプラズマが自己組織化する性質を利用したナノレベルの微粒子アセンブリー技術によって散逸構造生成される電磁メタマテリアルの登場が期待されている。〔理研ニュース 2009年4月号「メタマテリアルで光の常識を打ち破る」 〕 教授たちが2002年に、「もし屈折率が負の物質があれば、無限に小さなものを光で観察できる」と主張する論文を発表したことが契機となり、開発競争に火が付いた経緯がある。光の波長よりも小さな構造の情報を持った光、近接場光を増幅すれば、従来の光学顕微鏡の限界を超えた、光の波長以下のサイズの物体を見ることが可能であるとしている。 光学や短波長の電磁波において特徴的な性質を示し、分解能の限界や回折限界の突破が可能とされ、超高分解能レンズ、光ファイバー、バンドパスフィルタ、新種のレンズ・アンテナ、透明化技術(光学迷彩)などへの応用が期待されている。また、CGの画像を電磁メタマテリアル上に表示する技術が、コンピュータ支援外科などの分野を中心に発展しつつある。すでに電磁メタマテリアルの開発は、戦車の装甲などの分野で第二世代・第三世代に入っているとされているが、その多くは産業機密のベールの向こう側にあるため、詳細は不明である。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「メタマテリアル」の詳細全文を読む
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