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モジュラー性定理 : ウィキペディア日本語版
谷山–志村予想

谷山・志村予想(たにやましむらよそう、Taniyama–Shimura conjecture)は、「すべての有理数体上に定義された楕円曲線モジュラーであろう」という数学の予想。
証明されて定理となったので、モジュラー性定理またはモジュラリティ定理 (modularity theorem) と呼ばれることもある。(本記事では、この三つの用語を区別することなく使用する)
アンドリュー・ワイルズ (Andrew Wiles) は、半安定楕円曲線の谷山・志村予想を証明し、それによってフェルマーの最終定理を証明した。後に、(Christophe Breuil)、(Brian Conrad)、(Fred Diamond)、リチャード・テイラー(Richard Taylor)は、ワイルズのテクニックを拡張し、2001年にモジュラリティ定理を完全に証明した。
モジュラリティ定理は、ロバート・ラングランズ(Robert Langlands)によるより一般的な予想の特別な場合である。ラングランズ・プログラムは、保型形式、あるいは保型表現(automorphic representation)(適切なモジュラ形式の一般化)を、例えば数体上の任意の楕円曲線のような、より一般的な数論幾何の対象へ関連付ける方法を探している。これらの拡張された予想の場合は、現在のところほぼ証明されていない。

==谷山・志村予想の内容==
谷山・志村予想とは、任意の Q 上の楕円曲線は、ある整数 N に対する(classical modular curve)
:X_0(N)\
からの整数係数を持つ(rational map)を通して得ることができる。この曲線は整数係数を持ち、明確に表すことができる。レベル N のモジュラパラメータと呼ばれる。N がそのようなパラメータの中の最小の整数(モジュラリティ定理自体により、導手として呼んでいる数値であることが知られている)であれば、ウェイト 2 とレベル N の特別な場合のモジュラ形式で、楕円曲線の同種に従い正規化された q-展開をもつ(newform)の生成する写像として、この写像が定義される。
モジュラリティ定理は、次の解析的なステートメントと密接に関連する。Q 上の楕円曲線 E に楕円曲線のL-函数を対応させる。このL-函数は、ディリクレ級数であり、
:L(s, E) = \sum_^\infty \frac
と表すことができる。
従って、係数 a_n母函数は、
:f(q, E) = \sum_^\infty a_n q^n
である。
:q = e^\
を代入すると、複素変数 τ の函数 f(\tau, E)フーリエ展開の形に書くことができ、従って、q-展開の係数は f のフーリエと考えることができる。この方法で得られた函数は、注目すべきことに、ウェイト 2 でレベル N のカスプ形式であり、(モジュラ形式でもあるので)ヘッケ作用素の固有ベクトルとなっている。これがハッセ・ヴェイユ予想(Hasse–Weil conjecture)であり、モジュラリティ定理より従うこととなる。
逆に、ウェイト 2 のモジュラ形式は、楕円曲線の(holomorphic differential)に対応する。モジュラ曲線のヤコビ多様体は、同種を同一視すると、ウェイト 2 のヘッケ固有形式に対応する既約アーベル多様体の積として書くことができる。1-次元要素は楕円曲線である。(高次元要素も存在し、すべてではないが、ヘッケ固有形式が有理楕円曲線へ対応する。)曲線は、対応するカスプ形式より得られるので、この方法で構成された曲線は、元々の曲線と同種である(一般には同型にはならない)。
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