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モクズガニ
モクズガニ(藻屑蟹)''Eriocheir japonica'' (De Haan, 1835)〔小林 (2011)、p.44〕は、エビ目(十脚目)・カニ下目・イワガニ科に分類されるカニの一種。食用として有名な「上海蟹」(チュウゴクモクズガニ)の同属異種であり、日本各地で食用にされている内水面漁業の重要漁獲種である。 == 名前 == 学名については、一般向けの書物や分類学以外の学術雑誌では ''Eriocheir japonicus'' が用いられることがあるが、20世紀末頃から甲殻類の分類学者の間では種名を "''japonica''" とする方針が確定している〔。学名には属名と種名の性 (gender) 一致の原則が決められているが、属名 ''Eriocheir'' がラテン語ではなく古代ギリシア語に由来し性不明の単語とみなされたためラテン語の原則が適用されず、男性形の '' japonicus'' と女性形の '' japonica'' のどちらにするか混乱がみられた〔。しかし古代ギリシア語にも性は存在し、''Eriocheir'' は女性である〔。甲殻類の研究論文が発表される最も信頼のおける国際学術誌である『Journal of Crustacean Biology』や『Crustaceana』では、''japonica'' が用いられている〔。日本甲殻類学会でも ''japonica'' を用いているので、現時点ではそれに倣うのが望ましい。 別名については、モクゾウガニ(千葉県習志野市)、ズガニ(静岡県伊豆地方)、ツガニ、ツガネ(長崎県)、ヤマタロウ、カワガニ、ケガニ、ヒゲガニ(徳島県貞光町)、ガンチ(徳島県阿南市)、太田川流域の広島市では「毛ガニ」(スーパーマーケットなどで北海道などからこの地方に来るカニは「北海道の毛ガニ」や「花咲ガニ」などと呼ぶ)などがある。モクズガニはおもに関東地方の呼び名であり、西日本ではツガニやズガニと呼ぶ地域が多い。「モズクガニ」と間違えて呼ぶ人がいるが、「モクズガニ」が正しく、地方名にも「モズク」とつくものは見あたらない。また戦前は「モクヅガニ」と書かれていた。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「モクズガニ」の詳細全文を読む
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