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モチェ文化[もちぇぶんか]
モチェ文化(モチェぶんか;Moche)は、ペルー北海岸にそそぐモチェ川から名称をとられた紀元前後からA.D.700頃まで繁栄したインカに先行するプレ・インカと呼ばれる高度な文化のひとつである。「モチーカ」と呼ばれることも多いが研究者の間では、スペイン人到着時に北海岸の住民が話していた言葉(ムチック語)の名称ということで避ける傾向が強い。モチェは、美しく彩色され、写実的に人面、動物、作物などを象った鐙型注口土器と黄金やトゥンバガ(金、銀、銅、砒素の低カラット合金)細工などのすばらしい副葬品で知られる。モチェ文化が繁栄したのは、モチェ川のほか、その北方を流れるラ・レチェ川流域から南は中部海岸のワルメイ川流域までの500kmの範囲に及んで、一つか二つの谷にまたがるいくつかの国家〔首長制なのか君主制なのか厳密な定義が難しいので研究者間ではしばしば「政体」 (Policy) と呼ばれる)。〕〔その地域の統一的な国家ではなく、宗教イデオロギーや宗教芸術を共有したと考えられる。ただし、モチェⅣ期の600年頃、統一的な国家が成立したと考える研究者もいる。増田義郎「先スペイン期の南アメリカ」26ページ(増田義郎編『新版世界各国史26 ラテン・アメリカ史Ⅱ 南アメリカ』山川出版社)〕の形態をなしていたと考えられている。
==生業== モチェの人々は、灌漑農業を行っていて数キロメートルにわたる運河が建設されることも珍しくなく、ラ・クンブレの運河と呼ばれるものは、110km以上にも達した。また数百立方メートルにも及ぶ貯水槽なども造られた。栽培された植物は、とうもろこし、豆、ピーナッツ、ジャガイモおよびチューニョ(乾燥ジャガイモ)、唐辛子、タピオカの甘い種類、ヒョウタン、キュウリなどであり、多くは、土器にもかたどられている。また、とうもろこしからつくられるチチャ酒も造られていた。漁業、狩猟、採集、交易も行われ、狩猟の様子は土器にも描かれた。家畜のモルモットやアヒルが食糧だったこと、葦舟で漁を行ったことなどが知られている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「モチェ文化」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Moche culture 」があります。
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