|
モンタナ級戦艦(モンタナきゅうせんかん、Montana Class Battleship)はアメリカ海軍の戦艦の艦級である。アイオワ級の拡大改良型で、完成すれば日本海軍の大和型戦艦に匹敵する排水量の戦艦であった。1940年に5隻の建造が承認されたが、戦局の推移、艦船運用思想の変化から1943年に全艦建造が取りやめとなった。アメリカ合衆国において設計された最後の戦艦の艦級である。 == 概要 == アメリカ海軍は1940年の「二大洋海軍 ''Two Ocean Navy''」建艦計画の下、5隻の戦艦の建造を承認した。この5隻はBB-67からBB-71として承認され、筆頭艦に命名された“モンタナ”の名を取って「モンタナ級戦艦」と総称された。1番艦から5番艦までの建造予算は1940年7月19日に承認され、9月9日にはアメリカ国内の三つの造船所に発注された。 モンタナ級が完成すればアメリカ海軍は17隻の戦艦を保有することとなり、これは他国に対しての大きな利点となると考えられていた。また、日本海軍の新型戦艦(大和型)に対抗しえる艦となるはずであった。しかしながら、既に発注されていた他の戦艦の建造が優先された上、1941年12月に日本との戦争が始まり、アメリカが第二次世界大戦に参戦すると、戦局は航空母艦、揚陸艦艇、輸送船、潜水艦及び対潜水艦用の各種護衛艦艇を緊急に必要とするようになり、モンタナ級の起工は低優先度事項とされ、1942年5月にはモンタナ級の建造計画には中断命令が下された。その後、新たな戦艦の必要性は急速に弱まり、1943年7月21日には1隻も起工されないまま建造計画はキャンセルされることとなった。 1番艦であるモンタナの艦名は、1921年のダニエルズ・プランで計画されたサウスダコタ級戦艦の3番艦に命名される予定であったが、翌年のワシントン海軍軍縮条約で同級の建造は中止されたためキャンセルされたものを改めて採用したものである。本級もキャンセルされたことで、モンタナ州はアメリカ合衆国の48州(当時)の中で主力艦に命名がなされなかった唯一の州となった。 なお戦時中の日本でもモンタナ級については一般に知られており、大和型戦艦については「新造戦艦」としか報じられていなかった日本国民には大きな脅威と受け止められていた事が当時、出版された書籍の記述から確認出来る〔「これからアメリカが造ろうとしている主力艦は陸奥のような三万二千七百トン位しかないちっぽけな軍艦ではない。モンタナ級の五隻などは一隻で五万八千トンもあるという大戦艦だ」高山書院『日本は勝つ』福永恭助著 昭和18年5月発行より引用〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「モンタナ級戦艦」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|