|
ヴァシュラン・モン・ドール(Vacherin Mont d'Or)もしくはモン・ドール(Mont d'Or)は、フランスおよびスイスの伝統的なチーズである。毎年8月15日から翌年の3月15日までの期間限定で生産され、9月10日から翌年5月10日まで販売される季節のチーズである。フランスとスイスの国境付近、ジュラ山脈の周辺で手作業で生産されており、この場所にある山が名称(Mont d'Or =「金の山」)の由来となっている。 == 特徴 == モン・ドールは、ジュラ山脈の高地で放牧される牛の牛乳から作られる柔らかいチーズである。1kgのモン・ドールを作るのに、およそ7リットルの牛乳が必要となる。円盤型のチーズで、直径は12-30cm、厚さは4-5cm程度である。モン・ドールはその外周にエピセア(トウヒの一種)の樹皮が巻かれており、その芳香もモン・ドールの特徴の一つとなっている。 モン・ドールはウォッシュタイプのチーズであり、定期的に塩水で表面を拭きながら熟成させる。この作業によって表面にはクリーム色~オレンジ色の表皮が形成され、また表面に敷布の布目が移る。拭く頻度や箱詰めのタイミングによっては、モン・ドールの表面に白カビが生える。この白カビは食用上無害なものであり、ブラシなどで除去されてから出荷される場合と、そのまま出荷される場合とがある。 市場に流通する際には、モン・ドールは丸い木箱に収められる。熟成の程度が判別できるよう、店頭では木箱の蓋を外し、通気性のラップを張って陳列される場合が多い。熟成したモン・ドールは非常に柔らかく、エピセアの樹皮やこの木箱がなければ形を維持することができない。そのため、モン・ドールはカットして提供されることよりも、中身をスプーンですくって食される場合が多い。どうしても切り分けて販売しなければならないチーズ店では、モン・ドールの切断面に大理石の重石をあてがい、中身の流出を食い止めている。 モン・ドールは暑さに弱く、傷みやすいために気温の高い夏季は生産されない。モン・ドールのオフシーズンには、同所の牛乳は日持ちの良いハードチーズであるコンテの原材料となる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヴァシュラン・モン・ドール」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|