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ヤコブ・ファン・ヘームスケルク級フリゲート(, )は、オランダ海軍が運用していたミサイル・フリゲート。先行するコルテノール級フリゲートをもとに、主砲や航空設備などとバーターでターター・システムを搭載した設計となっており、L級フリゲート(; 防空フリゲート)とも称される。現在ではオランダ海軍からは退役したが、チリ海軍に売却されて運用を継続している。 == 概要 == オランダ海軍は1974年度防衛白書において、12隻の標準フリゲート(コルテノール級)とともに、これを強化した嚮導艦1隻の建造を盛り込んだ。これは、当時編成が予定されていた3個目の護衛隊群の旗艦として、当時整備されつつあった誘導ミサイル・フリゲート(トロンプ級)よりも安価な防空艦として計画されたものであった。しかしこの段階では、この防空用派生型はあくまで構想に過ぎず、予算上の裏付け等はなかった。一方、コルテノール級は計画通りに12隻が発注されたが、このうち、最終年度(1976年)発注分の2隻は、建造途中でエリ級フリゲートとして設計変更の上でギリシャ海軍に引き渡されることとされた。これを受けて、オランダ海軍は改めて2隻のフリゲートを発注できることになり、これら2隻はかねてから計画されていた防空用派生型として建造されることとなった。これによって建造されたのが本級である。 このような建造経緯から、本級の設計は、多くの点でコルテノール級のそれを踏襲している。船体と主機関はほぼ同一であり、特に主機関は、トロンプ級以来一貫して用いられてきた、巡航用のロールス・ロイス タインRM1Cと高速用のロールス・ロイス オリンパスTM3Bを組み合わせたCOGOG方式とされた。 また電装品も同様で、戦術情報処理装置やレーダーはいずれもコルテノール級の搭載品あるいはその発展型が用いられている。このため、本級はオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートと同様に3次元レーダーを装備せず、LW-08 2次元レーダーのみを装備した状態で就役したが、冷戦終結後にSMART-S 3次元レーダーを装備する改修が行われた。スタンダードSM-1MR艦隊防空ミサイルの誘導用イルミネーターとしては、トロンプ級ではアメリカ製のAN/SPG-51が用いられていたのに対し、本級では国産のSTIRシリーズが用いられている。その発射機であるMk.13単装ミサイル発射機は、コルテノール級で艦載機用ハンガーとされていたスペースに設置された。またこれらの重量増を補うため、主砲は省かれた。 1981年より、トロンプ級やコルテノール級と同じくロイヤル・スヘルデ造船所において建造が開始され、1986年にオランダ海軍に就役した。しかし冷戦終結後の世界情勢変化を受けて、低強度紛争に用いるには複雑で人員も数多く必要とすることから、2005年度海軍計画()において定数から除外され、同年、2隻ともチリ海軍に売却された。 File:Jakob van Heemskerck F812.jpg|F812 ヤコブ・ファン・ヘームスケルク(手前) 艦橋直後のマスト頂点部にZW-06 水上捜索レーダーを搭載している。 File:Witte de With F813.jpg|F813 ウィッテ・デ・ウィス(2005年撮影) 前部マスト頂点部のレーダーがSMART-S 3次元対空レーダーに換装されている。 File:Almirante Latorre (FFG 14), 2007 (cropped).jpg|チリ海軍のFFG-14 アルミランテ・ラトーレ(旧F812 ヤコブ・ファン・ヘームスケルク:2007年撮影) File:CapitanPrat2006.jpg|チリ海軍のFFG-11 カピタン・プラット(旧F813 ウィッテ・デ・ウィス:2006年撮影) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヤコブ・ファン・ヘームスケルク級フリゲート」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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