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ユグドラシル宇宙 : ウィキペディア日本語版
ユグドラシル宇宙[ゆぐどらしるうちゅう]

ユグドラシル宇宙とは、テーブルトークRPG(TRPG)のデザイナーである井上純弌の作品世界を包括する宇宙観のことである。
井上の代表作とされる『アルシャード』シリーズは、この多元宇宙を舞台にしている。また、スタンダードRPGシステムの展開に関連して、初期の作品である『天羅万象』と『テラ:ザ・ガンスリンガー』も、『天羅WAR』を介してこの宇宙観に組み込まれる事となった。ただし井上は『天羅WAR』(及び『天羅万象』と『テラ:ザ・ガンスリンガー』)の世界観とユグドラシル宇宙との関係については「個々の独立したゲームがあるべき」と発言しており〔『ゲーマーズフィールド別冊』Vol.14「特集 スタンダードRPGシステム」(ゲームフィールド/2007年7月)p7。例えば『アルシャード』(及びその改訂版である『アルシャードff』)と『天羅WAR』にはそれぞれ「天使」と呼ばれる存在がいるが、両者は名前が同じだけの異種族である。〕、『アルシャード』の展開が必ずしも『天羅WAR』やスタンダードRPGシステム準拠作品を拘束する訳ではない点に注意が必要である。
なお、全ての井上純弌作品が、共通する多元宇宙観でつながっているわけではない。例えば『BEAST BIND』シリーズや『エンゼルギア』シリーズの世界は他の井上作品とクロスオーバーする設定は今のところ見られない。
以下の記述は、基本的に『アルシャード』シリーズに依拠している。
==概要==
ユグドラシルとは幾多の次元を貫き生える宇宙樹であり、全ての次元はユグドラシルの枝であり葉であるとされる。ユグドラシル宇宙には「マナ」と呼ばれる根源力が充満しており、これはユグドラシル宇宙のあらゆるものごとの源となっている。物質が形をとどめておけるのも、世界に生命が生まれるのも、様々な事象や概念や法則が宇宙に存在できるのも、突き詰めればこのマナが宇宙に影響を与えているからである。そして、このマナを自在に操ることができればそれこそ魔法のような不可思議な現象を操ることができる。ユグドラシル宇宙に属する世界での魔術師や超人たちは、マナを操る技に長けたものたちのことである。
ユグドラシル宇宙は現在「奈落」というマイナスの力の影響を受けており、多くの枝や葉が枯れつつある。奈落はマナとは相反する存在で、世界に様々な災厄をもたらす。『アルシャード』においては、プレイヤーキャラクターは奈落に対抗できる戦士「クエスター」となり、あらゆる願いが叶うという理想郷アスガルドを見出し、全次元を奈落の魔手から救い出す事をゲームの大目的としている。
ユグドラシル宇宙観では、ゲームの舞台になりうる各世界のことを枝世界(ルートワールド)と呼ぶ。そして枝世界にはさらに葉世界(リーフワールド)と呼ばれる次元が平行世界として多数従属している。これはユグドラシル宇宙を一本の大樹とみなしたとき、幹から生えている枝がそれぞれ世界であるとみなし、枝から生えている葉を、その枝世界に従属する平行世界/小世界であるとみなしているのである。
葉世界が枝世界に従属するといわれるのは、枝世界が滅びるとそれにくっついている葉世界も同時に滅びるためである。なお、時間の流れによる過去や未来もまた枝世界に対する葉世界として存在し得る。そのため、歴史改変を行うことにより葉世界であった「可能性の世界」を枝世界へと変容させ、逆にそれまでの枝世界を「可能性の世界」である葉世界へと変容させることも可能である。枝世界のひとつであるブルースフィアでは時間管理局という組織の存在が確認されており、歴史改変および歴史の修正をおこなっている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ユグドラシル宇宙」の詳細全文を読む



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