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平行線公準(へいこうせんこうじゅん)とは、ユークリッド幾何学における特色のある公準である。平行線公理、ユークリッド原論における5番目の公準であったことから、ユークリッド(エウクレイデス)の第5公準(公理)とも呼ばれる。これは2次元幾何学において次のようなことを述べている。
ユークリッド幾何学は平行線公準を含む全てのユークリッドの公準を満たすような幾何学を研究するものである。平行線公準が成立しない幾何学は非ユークリッド幾何学と呼ばれる。平行線公準から独立した幾何学(つまり、ユークリッド公準のうち、最初の4つの公準しか仮定しない幾何学)を(もしくは中立幾何学)と呼ぶ。 == 論理的に同値な性質 == ユークリッドの平行線公準の最もよく知られている形は、名前をスコットランドの数学者に由来するであろう。これは次のようなものである。
平行線公準とプレイフェアの公理は一般的に同値というわけではない。幾何学の中には、この二つのうち、片方が真でもう片方が偽となるものがあるからである。しかし、ユークリッド幾何学の他の4つの公準と二つのうちの片方を使えばもう片方を証明することができるため、においてはこの二つは同値である。 他にも多くの平行線公準と同値な命題が提唱された。そのうちのいくつかは一見すると平行線とは関係ないように見える命題であり、またいくつかは平行線公準をユークリッドの他の公準から示したとする証明の中で、自明であるとして無意識に仮定されていた命題であった。以下はこれらの概要である。 # 平面上に直線と、直線上に存在しない点が与えられたとき、点を通り直線に平行な直線は与えられた平面に高々1本しか引くことができない(プレイフェアの公理)。 # 全ての三角形の内角の和は180°である。 # 内角の和が180°である三角形が存在する。 # 全ての三角形において、角度の合計は等しい。 # 相似であるが合同ではない三角形の組みが存在する。 # すべての三角形に外接円がひける。 # 四角形の3つの角度が直角であれば、残りの1つも直角である。 # すべての角度が直角の四角形が存在する。 # 互いの距離が常に変わらない直線の組が存在する。 # 同じ直線と平行である2本の直線は、互いに平行である。 # 直角三角形において斜辺の平方は他の辺の平方の和に等しい(ピタゴラスの定理)。 # 三角形の面積には上限がない(ウォリスの公理)。 # の頂点の角度は90°である。 # ある直線が2本の平行線のうち片方と交わり、直線が2本の平行線と同一の平面上にあるとき、平行線のもう片方とも交わる(の公理)〔Weisstein〕。 しかしながら、「平行である」という定義として、一般的によく使用される代表的な3つ「等距離に離れている」「決して交わらない」「第3の直線と同じ角度で交わる」のうちのどれを使用するか、その理由を説明することは簡単なことではない。なぜなら、この3つが同値であるというのは、平行線公準に依存しているからである。例えば、プレイフェアの公理における「平行」を、「等距離に離れている」という意味で使えば、これはもはや平行線公準と同値ではなく、残りの4公準から証明が可能となる(「高々1本しか引くことができない」ということは、そのような線がなくてもよいのである)。しかしながら、平行線が互いに交わらない線分であると定義すれば、プレイフェアの公理は平行線公準と同値であるし、他の4公準から論理的に独立している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「平行線公準」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Parallel postulate 」があります。 スポンサード リンク
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