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ユートピア平原(Utopia Planitia)とは、火星に存在する広大な盆地に付けられた名称である。ユートピア平原は、火星の北半球の中緯度地方に存在する。 == 概要 == ユートピア平原は火星最大の盆地であり、その差し渡しは約3300km程度と見積もられている 〔 McGill, G. E. (1989), "Buried Topography of Utopia, Mars: Persistence of a Giant Impact Depression." J. Geophys. Res., 94(B3), 2753-2759 〕 。 なお、この盆地の中心は、おおよそ北緯50度、東経118度である。(火星の経度については、座標の基準、または、エアリー0を参照のこと。)また、ユートピア平原は典型的なScalloped地形が見られる場所の1つである 〔 Lefort, A., Russell, P., Thomas, N., McEwen, A.S., Dundas, C.M. and Kirk, R.L. (2009), "HiRISE observations of periglacial landforms in Utopia Planitia. " Journal of Geophysical Research, vol.114, E04005, doi:10.1029/2008JE003264 〕 〔 Morgenstern A, Hauber E, Reiss D, van Gasselt S, Grosse G, Schirrmeister L (2007): "Deposition and degradation of a volatile-rich layer in Utopia Planitia, and implications for climate history on Mars." Journal of Geophysical Research - Planets 112, E06010 〕 。 なお、Scalloped地形は、主に火星の中緯度地方(主に南北45度~60度にかけて)において見られる地形であり、火星の北半球で見られる典型例がユートピア平原でのものである。ちなみに、火星の南半球でのScalloped地形の典型例は、Peneus地域やAmphitrites Pateraで見られるものである 〔 Lefort, A., Russell, P., Thomas, N. (2009) "Scalloped terrains in the Peneus and Amphitrites Paterae region of Mars as observed by HiRISE." Icarus, in Press doi:10.1016/j.icarus.2009.06.005 〕 〔 Zanetti, M., Hiesinger,H., Reiss, D., Hauber, E. and Neukum, G. (2009), "Scalloped Depression Development on Malea Planum and the Southern Wall of the Hellas Basin, Mars. " 40th Lunar and Planetary Science Conference, abstract 2178 〕 。 ユートピア平原は1976年9月3日に、NASAの無人火星探査機の1つバイキング2号が着陸し、調査を行った場所でもある。ここの地表には、沢山の岩石が露出している様子が、バイキング2号によって撮影された。ここの地表部分は、蒸発残留岩(蒸発残留物)でできているのではないかと言われている 〔 Arvidson, R. A. Binder, and K. Jones. 1976. "The Surface of Mars." Scientific American: 238. 76-89 〕 。 ちなみに、SF作品の1つスタートレックに登場する、火星の軌道上にある宇宙ステーションの造船所の名前は、この平原の名称から取られたものである 〔 Okuda Michael; Denise Okuda and Debbie Mirek (1999). "The Star Trek Encyclopedia. Pocket Books." ISBN 0-671-53609-5 〕 。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ユートピア平原」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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