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ヨーガ( (), )は、古代インドに発祥した伝統的な宗教的行法で、心身を鍛錬によって制御し、精神を統一して古代インドの人生究極の目標である輪廻転生からの「解脱(モークシャ)」に至ろうとするものである。ヨガとも表記される。漢訳は瑜伽(ゆが)。 北米などで流行しているフィットネス的なヨーガは宗教色を排した身体的なエクササイズとして行われているが、本来のヨーガはインドの諸宗教と深く結びついており、バラモン教、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教の修行法でもあった。現代ではインドのカトリック教会でもヨーガが取り入れられ、クリスチャン・ヨーガとして実践されている。 == 概説 == 森林に入り樹下などで沈思黙考に浸る修行形態は、インドではかなり古い時代から行われており、アーリヤ人侵入以前のインダス文明から行われていたらしいといわれている。仏教に取り入れられたヨーガの行法は中国・日本にも伝えられ、坐禅となった。ウパニシャッドにもヨーガの行法がしばしば言及され、正統バラモン教ではヨーガ学派に限られずに行われた。ジャイナ教でもヨーガの修行は必須であり、仏教の開祖である釈迦もヨーガを学んでいる。祭儀をつかさどる司祭たちが神々と交信するための神通力を得ようと様々に開発した思想と実践法は、2-4世紀に六派哲学のヨーガ学派の根本経典『ヨーガ・スートラ』として、現在の形にまとめられたと考えられている。 ただし、現在ヨーガと呼ばれるものの多くは動的なものであり、人間の心理に重きを置く静的な古典ヨーガの流れではない。動的なヨーガは、肉体的・生理的な鍛錬(苦行)を重視し、気の流れを論じ、肉体の能力の限界に挑み、大宇宙の絶対者ブラフマンとの合一を目指すハタ・ヨーガのヴァリエーションである。「ハタ」は「力、暴力、頑固」などを意味する。ハタ・ヨーガはヨーガの密教版ともいうべきもので、12-13世紀のシヴァ教ナータ派の(ヒンディー語でゴーラクナート)を祖とする。アーサナ(体位座法)や、プラーナーヤーマ(調息、呼吸法)、ムドラー(印相)などの身体的修練を重視した。ハタ・ヨーガはクンダリニー・ヨーガとも呼ばれ、その主張はヒンドゥー教のシヴァ派やタントラ仏教(後期密教)の聖典群(タントラ)、『バルドゥ・トェ・ドル(チベット死者の書)』の説と共通点が多く、プラーナ(生命の風、気)、チャクラ(神経叢)、ナーディー(神経脈管)が重要な概念となっている。 なお、ヨーガは現代人の生活に入り込んでおり、洞窟潜水などにヨーガを取り入れているダイバーもいる。最近ではヨーガを取り入れるスポーツクラブもあるが、アメリカを経由したものが多く、元来のヨーガとは似て非なるものも多い。健康法として多くの効果が喧伝される一方、心身に対する様々な危険性も指摘されている〔How Yoga Can Wreck Your Body(ヨーガはどのようにあなたの身体を破壊するのか) ニューヨークタイムズ、2012年〕。 また現代では、様々な文献が翻訳・執筆され容易に入手できるため、書籍や映像により独習されることも少なくない。ヨーガを取り入れていたオウム真理教の教祖麻原彰晃は、正規のグルにつかず文献を基に独学で修行しているが、このことがのちに様々な問題を生ぜしめた要因のひとつであるとも言われている〔〔。その一方、やビクラム・ヨーガといった巨大ヨーガ教室のトップがセクハラ、パワハラ、性犯罪で告発されるなどのトラブルもあり、商業化された現代のヨーガで、指導者に帰依することは妥当かどうか疑問も持たれている〔''After sex scandal, a Bikram yogi asks whether it’s wise to put so much faith in a guru'' Benjamin Shalva The Washington Post 2015年4月9日〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヨーガ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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