|
ライラプス()は、ギリシア神話に登場する犬である。 この犬はどんな獲物でも決して逃がさないと運命に定められていて、狙った獲物は決して外さないという槍とともにクレータ島の王ミーノースの宝物だったとされる〔アポロドーロス、3巻15・1。アントーニーヌス・リーベラーリス、41。〕。一説によるともともとはヘーパイストスがゼウスのために作った犬で、ゼウスはこれをエウローペーに槍とともに与え、エウローペーは息子のミーノースに与えたという〔カール・ケレーニイの下記邦訳書、p.130。アントーニーヌス・リーベラーリスの訳注、p.188。〕。しかしアルテミスの宝物だったといわれることも多い〔パウサニアス、9巻19・1。オウィディウス『変身物語』7巻。ヒュギーヌス、189。〕。 アテーナイの王エレクテウスの娘プロクリスは夫ケパロスと仲たがいしたときにミーノースあるいはアルテミスからライラプスと槍を得て、ケパロスと仲直りしたさいにそれを夫に与えた。 後にアムピトリュオーンはテーバイを苦しめるテウメーッソスの狐を退治しなければならなくなったが、この牝の狐は誰にも捕まらないという運命にあったため、アムピトリュオーンはライラプスを持つケパロスを頼った。そこでタポスとの戦争で得られるであろう戦利品と引き換えにライラプスをテーバイに連れて来て狐狩りを行ったが〔アポロドーロス、2巻4・7。アントーニーヌス・リーベラーリス、41。〕、牝狐は逃げきることができず、ライラプスも牝狐を捕まえることができず、延々と追いかけ続けた〔オウィディウス『変身物語』7巻。〕。あるいは牝狐を捕まえそうになった〔パウサニアス、9巻19・1。〕。これを見たゼウスは、ライラプスが獲物を取り逃がすことも、牝狐が捕まることも運命に反していたので両者を石に変えてしまったという〔アポロドーロス、2巻4・7。アントーニーヌス・リーベラーリス、41。〕。 == 脚注 == 〔 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ライラプス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|