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直線束[ちょくせんそく]
数学における直線束(ちょくせんそく、; 線束)は、空間の点から点へ動いていく直線の概念を表すものである。例えば、平面上の曲線は各点において接線を持つが、これらを構造化する方法によって接束が得られる。より厳密に、代数幾何学および微分位相幾何学における直線束は階数 のベクトル束として定義される〔Hartshorne (1975), 〕。
一次元の実直線束(冒頭に述べたようなもの)と一次元の複素直線束は異なる。 正則実行列全体の成す空間の位相は、(正および負の実数をそれぞれ一点に縮めた)にホモトピー同値だが、 正則複素行列の空間のホモトピー型は円周である。
従って、実直線束はホモトピー論的には、二点繊維を持つファイバー束としての二重被覆も同然である。これは可微分多様体上のになる(実際これは、直線束が行列式束(接束の最高次外冪)の特別の場合であることからわかる)。メビウスの帯は円周の二重被覆(偏角を θ ↦ 2θ にする写像)に対応し、これを二点繊維を持つものとして見ることもできるが、このとき単位区間でも実数直線でもデータとしては同値である。
複素直線束の場合には、実はこれはでもあることが分かる。よく知られたものとして、例えば球面から球面へのがある。
== 射影空間上の自然束 ==

代数幾何学において最も重要な直線束の一つは射影空間上の自然直線束である。体 上のベクトル空間 の射影化 は の乗法群 による作用で割った商位相空間である。従って、 の各点は のコピーに対応し、それら のコピーが合わさって 上の -束を成す。 は と一点の違いしかないから、各繊維にその点を添加して、 上の束にすることができる。この直線束を自然な直線束 (''tautological line bundle'') と呼ぶ。またこの直線束を \mathcal(-1) と書くこともある(これはセールの捻り層 \mathcal(1) の双対にあたることによる)。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「直線束」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Line bundle 」があります。



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