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ライムギ ライムギ(ライ麦、学名''Secale cereale'')はイネ科の栽培植物で、穎果を穀物として利用する。別名はクロムギ(黒麦)。単に「ライ」とも。日本でのライムギという名称は、英語名称のryeに麦をつけたものである〔辻本壽 「第9章 コムギ畑の随伴雑草ライムギの進化」『麦の自然史 : 人と自然が育んだムギ農耕』 佐藤洋一郎、加藤鎌司編著、北海道大学出版会、2010年、p190 ISBN 978-4-8329-8190-4〕。食用や飼料用としてヨーロッパや北アメリカを中心に広く栽培される穀物である。寒冷な気候や痩せた土壌などの劣悪な環境に耐性があり、主にコムギの栽培に不適な東欧および北欧の寒冷地において栽培される。 ==歴史==
===栽培化まで=== 原産は小アジアからコーカサスあたりと考えられている〔中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』岩波書店 154頁 1966年1月25日第1刷〕。小麦や大麦の原産地よりはやや北の地域である。 栽培化の起源は次のように考えられている。もともとコムギ畑の雑草であったものが、コムギに似た姿の個体が除草を免れ、そこから繁殖した個体の中から、さらにコムギに似た個体が除草を逃れ〔辻本 (2010)、pp.181-182,184-186〕、といったことが繰り返され、よりコムギに似た姿へと進化(意図しない人為選択)した〔。さらに環境の劣悪な畑ではコムギが絶えてライムギが残り、穀物として利用されるようになったというものである〔。同じような経緯で栽培作物となったエンバクとともに、本来の作物の栽培の過程で栽培化されるようになった植物として二次作物と呼ばれる〔〔森川 (2010)、p.203〕。現在でもコムギ畑における強勢雑草であり、コムギの生育条件の悪い畑ではコムギを押しのけてライムギのほうが主となっている畑がみられる。本来の野生種ライムギは種子が脱落するタイプのみであったが、コムギ畑の雑草化した時点で半脱落性化し、さらに栽培化の過程で他の穀物と同様に非脱落性を獲得し、これによって穀物としての有用性は急上昇した。ライムギが栽培化されたのは、紀元前3000年ごろの北欧と考えられている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ライムギ」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Rye 」があります。
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