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ラッシュアジャスター()とはタペットの一種で、内燃機関のバルブクリアランスを自動的に0にする機構である。英語圏ではハイドロリックリフター(hydraulic lifter)〔これに対して、従来型の手動調整式のタペットはソリッドリフター(solid lifter)やメカニカルリフター(mechanical lifter)と呼ばれる。〕、ハイドロリックタペット(hydraulic tappet)とも呼ばれ、日本では油圧タペットやオイルタペットとも呼ばれる。 == 概要 == ラッシュアジャスターは、ロッカーアーム(またはカム)とバルブの間に挿入される集合部品(ASSY)で、主要部品として一方が塞がれた円筒(ボディ)とその内部の円筒部品(プランジャー)、鋼球(チェックボール)、スプリングで構成される。プランジャーの外径はボディの内径にぴったりとはまる大きさで、円筒面に沿ってスライドするように組み込まれる。チェックボールはボディの底とプランジャーの間に組み込まれ、プランジャーの孔を塞ぐようにスプリングで押さえつけられて密閉された空間(高圧室)を構成する。高圧室にはエンジンオイルが満たされていて、ロッカーアームからの荷重はプランジャーで受け、ボディ底部に充填されたオイルに圧力を与え、オイルを介してボディへと伝達される。オイルの圧力が高くなるほどチェックボールがプランジャーの孔に押さえつけられる力が高くなり、内部のオイルが漏れ出すことなく、ラッシュアジャスターは一塊の部材として荷重を伝達することができる。 ラッシュアジャスターのボディとプランジャーの側面にはオイルが流入する穴が設けられていて、プランジャー内にはオイルポンプから送り込まれたオイルが満たされる。満たされたオイルはプランジャーのロッカーアーム側に設けられた孔から流出し、その際の流体抵抗によりエンジンの運転中はプランジャー内に圧力が加えられている。ロッカーアームやカムとの間に隙間が発生すると、プランジャー内の油圧によりチェックボールが押されて、高圧室にオイルが送り込まれて容積が大きくなる。これによってラッシュアジャスター全体の長さが押し伸ばされて、バルブクリアランスを埋める。 バルブクリアランスが大きくなるとバルブリフト量が小さくなるなどの不都合が発生するため、従来のタペットでは整備によってクリアランスを調整する必要があった。 ラッシュアジャスターで自動的にクリアランスを0に調整することにより、メンテナンスフリー性が向上した。 ラッシュアジャスターはOHVのようにシリンダーヘッド内にロッカーアームを持つ構成や、1本以上のカムがバルブを直接操作するOHCの場合に用いられる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ラッシュアジャスター」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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