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ラッセルのパラドックス : ウィキペディア日本語版 | ラッセルのパラドックス ラッセルのパラドックス(英語:)とは、素朴集合論において矛盾を導くパラドックスである。バートランド・ラッセルからゴットロープ・フレーゲへの1902年6月16日付けの書簡における、フレーゲの『算術の基本法則』における矛盾を指摘する記述に表れる〔フレーゲ[2002]pp.118-119〕。これは1903年に出版されたフレーゲの『算術の基本法則』第II巻()の後書きに収録されている〔フレーゲ[2000]pp.403-404〕。 ラッセルが型理論(階型理論)を生み出した目的にはこの種のパラドックスを解消するということも含まれていた〔Russel Appendix B: The Doctrine of Types〕。 == 概要 == ラッセルのパラドックスとは、自分自身を要素として含まない集合全体の集合 の存在から矛盾が導かれるという、素朴集合論におけるパラドックスである。いま と仮定すると、 の定義より となるから、これは不合理である。したがって(仮定無しで) である。ところが の定義より となるから、やはり不合理である。 集合論が形式化されていないことは矛盾の原因ではない。このパラドックスは古典述語論理上の理論として形式化された無制限な内包公理を持つ素朴集合論においても生ずる。上記の証明では排中律並びにそれと同等な論理法則を用いていないから、直観主義論理上の素朴集合論においても矛盾は生ずる。したがって論理を古典論理から直観主義論理に変更しても、ラッセルのパラドックスは回避できない。パラドックスの回避については、様々な方法が提案されている。詳細は後述する。
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