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ラード : ウィキペディア日本語版
ラード

ラード(、)、豚脂(とんし)は、調理に用いられる脂肪全般。日本では豚肉の脂肪で構成された部位塩漬けに加工した食材を「ラルド」、豚の脂肪組織から精製した食用油脂を「ラード」と呼称する。ラードは常温で白色の半流動体(クリーム状)をなし融点摂氏27~40度である〔の脂肪から作られた油脂はヘット牛脂)と呼ばれラードよりも融点が高い〕。
== 利用 ==
植物油に比べて酸化されにくいので、トンカツ等の揚げ物によく利用される。また、料理にコクと風味を出すために使われることが多い。ラーメンスープには豚の背の部位の脂が背脂としてよく用いられ〔ぐるなびラーメン用語辞典 〕、スープの上一面に浮かぶためスープが冷めにくい。
獣脂に由来する旨みから、上記のようにラーメンに多用されるほか、旨みに加えて揚げた時の独特のサクサク感と香ばしい風味が好まれることから、トンカツでは肉質や料理人の腕の他に、味の巧劣を決めるカギともなっている。
トンカツの名店では毎日、豚の脂身からラードを作って営業する店も少なくなく、廃棄物の再利用からこだわりの逸品に至るまで幅広いものとなっている。また、「肉屋のコロッケはうまい」との定評があるが、概して精肉店の揚げ物が家庭料理にない旨みをもつのは、新鮮なラードを揚げ油に使っているためといわれる〔自宅で肉屋のコロッケを作る方法 デイリーポータル 馬場吉成 2013年6月9日〕。もっとも揚げたてを味わうにはよいが、冷めたものは脂っぽく腹にもたれるとする向きもある。概して衣の香ばしさを強調するときに選ばれるべき食材とされる〔旭屋出版『とんかつ・コロッケ・揚げ物料理』103頁〕。
台湾香港には、ラードごはんという家庭料理がある。作り方は、飯の上にラードをたらし、醤油をかけてかき回して食べるシンプルなもので、貧しい時代を語る食べ物の代名詞であったが、近年、再評価が進んでいる。
北欧東欧などのヨーロッパの寒い地方では、バターなどのようにパンに付けて食べることもある。バターより変質しにくいことから、ドイツ軍などでは兵士の携行品でもあった。
フランスでは主に北および東の地域で、南西でもコンフィなどに使用される〔。
パン生地に加えることもあり、沖縄菓子であるちんすこうサーターアンダーギーの伝統的製法にも用いられる。
料理に加えられたラードは上記の融点を下回ると固体化する。スープの上に浮かんだラードは、冷めると膜状になる。
ラードの構成脂肪酸は右表の通りである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ラード」の詳細全文を読む



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