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リストリクター : ウィキペディア日本語版
リストリクター
リストリクター (''Restrictor'' ) とは、モータースポーツ競技においてエンジンの出力を制限する目的で取り付けられる部品のことである。吸気量を制限するエアリストリクターと、燃料流量を制限する燃料リストリクターの2種類が使用されている。
== エアリストリクター ==

エンジンは燃焼のために吸気口から空気を燃焼室に取り入れる必要があるが、空気の流速が音速を超えると衝撃波が発生して流れが滞ることから〔、エンジンが一定時間内に取り入れられる空気の総量は、通常は吸気口の大きさによってその上限が定まる。エアリストリクターはこの性質を利用し、エンジン吸気口に本来のエンジン性能上求められる大きさよりも小さい口径の管や板を設置することで空気の流量を制限するものである〔トランペット状や板状のものが使用されている。〕。
出力はエンジン回転数に比例するため、出力を向上させるためにはより多くの空気を取り入れる必要が生じるが、口径が小さいリストリクターが設けられた状態では、回転数が一定の値を超えるとエンジンの燃焼に空気の供給が追い付かず、エンジン回転数が上昇しても摩擦等のロスが大きくなり出力は低下する。口径が同じ場合は一定時間ごとの吸気量の上限が定まり、一定の空気と燃料を混合して爆発させることにより得られるエネルギーも理論的に上限が定まるため、エンジン形式を問わず出力の上限がほぼ一定となる。「エンジンの過度な高回転化の防止」「出力の均衡化」は、エンジン開発費の高騰を防ぎ、レースにおける戦力が拮抗するといったメリットがあるため、多くのカテゴリーにおいて装着が義務化されている。
トルクなどについてはエンジン排気量が多い方が有利となることから、実際のレースにおいては「排気量が多くなると口径が小さくなる」といったように、戦力差を小さくするかたちでレギュレーション (規定) が定められる場合が多い。なお、チーム側で勝手に取り外したり、外部から吸気が可能になっていたのでは意味がないため、装着に際してはレース主催者側で封印が施されるほか、それ以外の部分からの吸気出来ない構造になっているかどうかが車検でチェックされるが〔かつてのSUPER GTでは現在のレギュレーション (規定) と異なっており、「マシンの最低重量によりリストリクター径が変化する」レギュレーションを採用しているイベントでは、コーナーの多いサーキットでは「エンジン出力低下よりも軽い車重を選ぶ」目的で口径を絞り、一方長い直線のあるサーキットでは「直線速度を得るためエンジン出力を優先させる」目的で口径を拡大するといった戦略を取るチームも多かった。〕、論争やトラブルも発生している。
*意図的な違反の例
 *1995年のWRC 第7戦 ラリー・カタルーニャでは、TTEが使用していたST205型トヨタ・セリカGT-FOURのエンジンがリストリクター外からの吸気が可能な構造になっていたとして、1995年の全獲得ポイントを剥奪された上、1996年のWRC参加を禁止される事態となった。
*トラブルにより違反となった例
 *2013年のSUPER GT 第5戦 SUZUKAでは、GT300で2位となったGSR初音ミクBMW・Z4が、レース後の車検でリストリクター周辺部品の破損が見付かり失格となった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「リストリクター」の詳細全文を読む



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