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リボヌクレアーゼA(Ribonuclease A)は、一本鎖RNAを切断するエンドヌクレアーゼの1つである。RNAアーゼA(RNase A)とも言う。子牛の膵臓のRNAアーゼAは、古典的なタンパク質科学のモデル系として用いられた。 ==歴史== 子牛の膵臓由来のRNAアーゼAは、アメリカ合衆国の食肉会社Armour and Companyがkg単位で精製し、興味のある科学者に10mgずつ無料で提供したことから広く使われるようになった。この入手の利便性によって、RNAアーゼはタンパク質研究のモデルとなった。 RNAアーゼは研究の素材として、吸光、円偏光二色性、旋光分散、ラマン分光法、電子スピン共鳴、核磁気共鳴分光法など様々な分光学的分析手法を生み出した。また限定分解、側鎖の化学修飾、抗原認識などいくつかの化学的構造分析法の発展にも貢献した。 1967年にはタンパク質として3番目に構造が解かれている〔Wyckoff HW, Hardman KD, Allewell NM, Inagami T, Johnson LN, Richards FM. ''The structure of ribonuclease-S at 3.5 A resolution.'' J Biol Chem. 1967 Sep 10;242(17):3984-8. 〕。 RNAアーゼAの酸化的フォールディングの研究から、クリスチャン・アンフィンセンはタンパク質のフォールディングに関して熱動力学仮説を立て、タンパク質のフォールドは自由エネルギーが最小になるように決まるとした。 さらに、RNAアーゼAはマルチプルアライメントによる解析が初めて行われたタンパク質、進化的な特徴が比較された初めてのタンパク質でもある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「リボヌクレアーゼA」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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