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リンディスファーンの福音書(リンディスファーンののふくいんしょ、The Lindisfarne Gospels)は、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる福音書から成る手書きのラテン語装飾写本である。ノーサンブリアの聖域であったリンデスファーン修道院で7世紀末から8世紀初頭にかけて製作され、リンディスファーン司教座がダラムに移転した後は同地に長年保管されていた。『ヒベルノサクソンアート』もしくは『インシュラーアート』〔Celtic and Anglo-Saxon Art: Geometric Aspects Derek Hull, Published 2003 Liverpool University Press. ISBN 085323549X 〕と呼ばれるアングロサクソン様式とケルト様式が融合した英国特有の宗教芸術における最高傑作の一つと見なされている。 現存する原本の保存状態が約1300年前に製作された写本としては他に例を見ないほど良好であることで知られ、8世紀当時に施されていた装丁は長い歴史の中で失われたものの、テキスト本体の部分は製作当時の完全な状態が保たれたまま今日まで至っている。現在原本は大英図書館が所蔵しているが、ダラム大聖堂の保管所には福音書の複写版が保管されており、聖堂の訪問者はそれを閲覧することができる〔。 == 歴史 == リンディスファーンの福音書は698年にリンディスファーン司教となり721年に亡くなった修道僧イードフリスによって筆写・装飾が行われ、エシルワルドが製本したと伝えられている。〔Lindisfarne Gospels British Library. Retrieved 2008-03-21〕今日の研究では製作年代は715年頃で、聖カスバートのチェルター・ル・ストリートへの移葬を記念して作られたと考えられている。 福音書は挿絵や装飾がふんだんに施されたインシュラー体で書かれており、8世紀当時は宝石と貴金属に覆われた上質な革で装丁されていた。リンデスファーンにバイキングが上陸した時期にその装丁は失われ、1852年に製本し直された。〔Let Gospels come home Sunderland Echo, 2006-09-22. Retrieved 2008-03-21〕 10世紀にこの福音書の古英語訳がなされた。チェスター・ル・ストリートの主席司祭アルドレッドによってラテン語の行間に逐語的な注釈がつけられたのである。〔。これが英国初の英訳福音書となった。〔 福音書はヘンリー8世の命令による修道院の解散時にダラム大聖堂から持ち出され、17世紀初頭に英国議会の書記官、トーマス・ウォーカーからロバート・コットンの手に渡り、18世紀には大英博物館に納められ、更にそこからロンドンの大英図書館に移された。〔Time line British Library. Retrieved 2008-03-21〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「リンディスファーンの福音書」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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