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リースの補題 : ウィキペディア日本語版
リースの補題
数学関数解析学の分野におけるリースの補題(リースのほだい、)は、リース・フリジェシュの名にちなむ補題である。この補題は、ノルム線型空間の中の線型部分空間稠密であるための条件を明示するものである。「リース補題」(Riesz lemma)や「リース不等式」(Riesz inequality)と呼ばれることもある。内積空間でない場合は、直交性の代わりと見なすことも出来る。
== 内容 ==

補題の内容について述べる前に、いくつかの記号を定める。''X'' を、ノルム |·| を備えるノルム線型空間とし、''x'' を ''X'' の元とする。''Y'' を、''X'' 内の閉部分空間とする。元 ''x'' と空間 ''Y'' との距離は、次で定義される。
: d(x, Y) = \inf_ |x - y|.
補題の内容は次のようなものである:
リースの補題 ''X'' をノルム線型空間、''Y'' を ''X'' の閉真部分空間とし、α を を満たす実数とする。このとき、|''x''| = 1 を満たす ''X'' 内のある元 ''x'' で、''Y'' 内のすべての元 ''y'' に対して |''x'' − ''y''| > α を満たすものが存在する。

''注意 1'' 有限次元の場合に対しては、等号が成り立つ場合もある。言い換えると、ノルムが 1 の元 ''x'' で ''d''(''x'', ''Y'') = 1 を満たすものが存在する。''X'' の次元が有限であるとき、単位球 ''B'' ⊂ ''X'' はコンパクトである。また距離函数 ''d''(· , ''Y'') は連続である。したがって、単位球 ''B'' 上の像は実数直線のコンパクト部分集合でなければならず、主張は示される。
''注意 2'' すべての有界列の空間 ℓ は、 α = 1 に対して補題が成立しない例を与える。
証明は、クライツィグなどの函数解析学のテキストで見られる。ポール・ギャレット教授による証明の概要 もオンラインで利用可能である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「リースの補題」の詳細全文を読む



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