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『國寶』(こくほう、, 「ルシール・ラヴ、神秘の少女」の意)は、1914年(大正3年)製作・公開、ユニヴァーサル・フィルム・マニュファクチャリング・カンパニー(現在のユニバーサル・ピクチャーズ)製作・配給によるアメリカ合衆国のサイレント映画、シリアル・フィルムである〔''Lucille Love: The Girl of Mystery'', Internet Movie Database , 2010年7月12日閲覧。〕。同社初のシリアルとして知られる〔。日本では、本作の後に製作された『マスター・キイ』、『名金』の大ヒットの後で公開された〔『日本映画発達史 I 活動写真時代』 、田中純一郎、中公文庫、1975年12月10日 ISBN 4122002850, p.254-255.〕〔『20世紀アメリカ映画事典』、編・畑暉男、カタログハウス、2002年4月、ISBN 4905943507, p.47.〕。日本での別題『ルシル・ラブ』〔、また戦後の文献では、旧漢字・略字とりまぜての『國宝』とも表記される〔。 == 略歴・概要 == 本作は、当初、2巻ものの短篇西部劇として製作されたが、急遽全15巻のシリアル・フィルムに変更となったことで、ユニヴァーサル・フィルム・マニュファクチャリング・カンパニー初のシリアルとなった〔〔Lucille Love: The Girl of Mystery, Allmovie, , 2010年7月12日閲覧。〕。その背景には、本作が封切られた同年4月14日の直前である同年3月31日に、パテ・フレール(パテ)が、パール・ホワイトを主演としたシリアル『ポーリン』(別題『ポーリンの危難』 ''The Perils of Pauline'')をリリースし、大好評を得た〔, 2010年7月12日閲覧。〕ことが挙げられる〔。 本作は、主演を務めたグレイス・キュナードとフランシス・フォードの男女2人の俳優がオリジナルシナリオを執筆し、フォードが監督したもので〔、本作がシリアル・フィルムとしてヒットすることで、この2人のコンビがスターになり〔、キュナードは「ザ・シリアル・クイーン」の異名をもつきっかけとなる〔, 2010年7月12日閲覧。〕。本作には、フォードの実弟ジョン・フォードが、当時の芸名ジャック・フォードの名で出演しており、小道具兼スタント、製作助手として撮影クルーに参加している〔。出演俳優の多数は、フォード=キュナードの次作シリアル『名金』にも引き続き出演している〔〔, 2010年7月12日閲覧。〕。 日本では、まず1915年(大正4年)9月30日に浅草公園六区・電気館において、ユニヴァーサル・シリアルの第2作であるロバート・Z・レナード監督の『マスター・キイ』〔〔『20世紀アメリカ映画事典』、p.35.〕、2週間後の同年10月10日、同じく浅草公園六区の帝国館で、ユニヴァーサル・シリアルの第5作であるフランシス・フォード監督の『名金』が連続して封切られて、いずれも成功を収め〔、翌1916年(大正5年)7月に本作は公開されている〔。配給は、1915年7月に東京市京橋区南伝馬町3丁目14番地(現在の東京都中央区京橋3丁目)に設立された播磨ユニヴァーサル商会〔『日本映画発達史 I 活動写真時代』、p.257.〕が行なった。 現在、本作の原版は散逸し現存しないとみなされている〔''Lucille Love, Girl of Mystery'', ''silentera.com'' , 2010年7月12日閲覧。〕が、第2-3話、第6話、第8話、第10話、第12-14話という合計8話分の上映用プリントだけは現存し、アメリカ議会図書館が所蔵している〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「國寶 (映画)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Lucille Love, Girl of Mystery 」があります。 スポンサード リンク
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