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ルーカン卿(Sir Lucan)は、アーサー王物語に登場する人物。アーサー王付きの執事〔(butler〔)として紹介されるが、厳密に意味解釈するならばワイン係の「献酌侍臣」である〔役職は"butler, cupbearer, wine steward" などとも意訳される ()〕〔流布本系の英訳()で"Lucan Wine Steward "とある〕〔 英語のbutlerを調べてもわかるが、その本来の語源(古フランス語 butiller)は「ワイン係官」を意味した。〕。 のちのマロリーの作品ではベディヴィア卿の兄弟で〔〔、コルネウス公(Corneus)の息子とされる〔Malory, I:10; 訳『アーサー王の死』, p.53「コルネウス公の息子である執事役のルーカン卿」〕〔, Lucan の項〕。 ==作品の中の人物== 初出は『ペルスヴァル』の『第一続篇』(1200年頃)で〔、そこではアーサーの軍が「傲れる城」(仮訳)(Castel Orguellous)を攻撃するとき、一番手となってジョスト(槍試合)に出場した〔 Madden は元の韻文ロマンスでなく、散文版『ペルスヴァル物語』を元に要約を収録している。『ゴラグロスとガウェイン』を参照〕。 流布本系(ランスロ=聖杯サイクル)や、マロリー作品においては、モードレッド卿が引き起こした謀反の最終決戦であるソールズベリー(他の文献ではカムランの戦いとされる戦い)を生き残ったわずかの家臣の一人である。ただし、二つの作品では、設定が次のように異なる。 流布本系『アルテュス王の死』(1230年頃)では、ソールズベリー平原での戦い後、ルーカンは従兄弟のジルフレ(グリフレット卿)と共に、負傷した王を「黒き寺院」(Noire chapel)まで担いだとされている。そして悲しみに呉れたアーサーは、ルーカンを強く抱擁しすぎるあまり圧殺してしまう〔 (Summaries: Death of Arthur Ch. 23)〕。王剣エクスカリバーを湖に捨てるよう命じられるたのは、この作品では従兄弟のジルフレである。続流布本系(Post-Vulgate)では、負傷した彼らの行き場所は「古き寺院」という〔, ''Post-Vulgate Death of Arthur'' Ch. 156, 158; p.303 note 9 "Ancient Chapel"〕。 トーマス・マロリー『アーサーの死』(1470年)では、ルーカン卿はベディヴィア卿の兄弟(兄)〔Malory, XXI:4-5; 訳『アーサー王の死』, p.430「執事役のルーカン卿、..その弟のベディヴィア卿」〕に設定されている。そして、ソールズベリーの「丘陵」での決戦後、アーサーを抱えていくのはルーカンとベディヴィア卿の二人に置換わっている。そして王を寺院から移動するため持ち上げようとした際、ルーカンは腹の傷が破れて内臓が飛び出し、死亡する。そのあと最後に残った家臣が、弟のベディヴィアであり、エクスカリバーを湖に捨てよと仰せつかる。 マロリーの作品では、初期は騎士としての活躍もあったが、それでも、ごくたまに槍試合において名前だけ登場するが、これといった活躍はしない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ルーカン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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