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レインヒル・トライアル(英: Rainhill Trials)は、1829年10月にリヴァプール - マンチェスター 間のマージーサイド州レインヒル(Rainhill)で開催された、蒸気機関車史の初期に名を残す競争のことである。 リバプール・アンド・マンチェスター鉄道が完成間近となった時、列車を牽引するために定置式蒸気機関を使用するか、蒸気機関車を使用するかを決定するために会社の幹部が競争を実施した。レインヒル・トライアルは公開競争として実施され、候補となる機関車全てが動く状態で見ることができるようになっていた。機関車が購入されるかどうかに関わらず、競争の勝者には500ポンドの賞金が与えられた。初期の機関車技術者の有力者の中から、ジョン・ケネディ(John Kennedy)、ジョン・ラストリック(John Urpeth Rastrick)、ニコラス・ウッド(Nicholas Wood)の3人が審判として選ばれた。 == 規則 == 競争に参加した機関車は、様々なテストと条件に従うことになっていた。多くの点で規則の改正がなされたが、最終的に以下のような条件となった。 * 機関車の重量は、ボイラーに満水の状態で朝8時に重量計で計測して確定し、その重量の3倍の負荷を牽いてテストを行う。ボイラーの水は冷たい状態で、火床に燃料がない状態で計測を行う。機関車が35マイル(56km)を走るために必要と機関車の製作者が判断した量だけの燃料をテンダに搭載し、それと同量の水を計測して搭載する。この状態でボイラーに点火され、蒸気が上がり始めるまでの消費燃料の量と所要時間が計測される。 * 燃料と水を搭載したテンダは、機関車が牽く負荷の一部とみなす。 * 燃料と水を機関車自体に搭載する車両(タンク機関車)の場合は、機関車自体の重量を元に、応分の牽引負荷の軽減をしてもよい。 * 機関車と牽引される車両は手で押して競争開始地点まで移動され、蒸気圧が50psi(345kPa)に達した時点で競争開始とする。 * 機関車は1回の行程ごとに最初の8分の1マイル(200メートル)を加速に、最後の8分の1マイルを停車に使う分を含めて、片道1.75マイル(2.8km)を走る。これにより機関車は片道1.5マイル(2.4km)を全速で走ることになる。 * 機関車は合計で10往復行程を走る。これにより行程の合計は35マイル(56km)になり、このうち30マイル(48km)は全速で走ることになる。そしてその平均速度は10マイル毎時(16km/h)を下回ってはならない。(この当時世界で唯一の旅客鉄道であったストックトン・アンド・ダーリントン鉄道の平均速度は13km/h(8 mph)であった。) * 機関車が上記の行程をこなした後(これはリヴァプールからマンチェスターへの行程に相当する)、新しい燃料と水が機関車に供給され、機関車が再び動けるようになり次第競争開始地点へ移動して、再度10回の行程を繰り返す(これはマンチェスターからリヴァプールへの復路に相当する)。 * 毎回の行程の所要時間と、2回目の競争開始までの所要時間を計測して記録する。 * 機関車が10回の行程に必要な燃料と水を携行することができない場合は、燃料と水を補給する時間も行程の所要時間の一部として計測する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「レインヒル・トライアル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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