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レインフロー法(レインフローほう)とは、不規則な繰り返し変動荷重を受ける機械や構造物などにおいて、疲労寿命を予測するための応力頻度あるいはひずみ頻度の計数法の一つ。1968年に九州工業大学の遠藤達雄らによって発表された。レインフロー計数法などとも呼ばれ、雨だれ法と呼ぶ場合もある。英語では"rainflow counting"や"rainflow counting method"、"rainflow counting algorithm"などと呼ぶ。 遠藤によれば、大阪大学の菊川真が紹介していたレンジペア法をもとにレインフロー法を思いついたという。1972年にステファン・ダウニングらによりアメリカで紹介され、日本よりも先にアメリカで広まった〔。遠藤らによって発明された後にも、遠藤ら自身、さらに他の研究者によっても改良がなされてきている。頻度計数法には他の種類も存在するが、その中でも特に広く用いられている。 ==特徴== レインフロー法では、変動荷重によるひずみの時間変化を建物の屋根に見立て、屋根を流れる水(雨だれ)の経路を考える。その雨だれの経路から、疲労寿命に寄与する応力あるいはひずみの大きさ(振幅・範囲)とその発生回数(繰返し数)を決定する。他の計数法と同様に、得られた応力またはひずみと線形累積損傷則を組み合わせることで、疲労破壊まで寿命(負荷繰り返し数)を予測する。 振幅・範囲と繰返し数の計数の仕方に、材料の応力-ひずみ曲線が示すヒステリシスループと自然な対応関係を持つのがレインフロー法の特徴の1つである。応力-ひずみ曲線のヒステリシスループに対応させた計数法は他にも存在するが、荷重振幅が単調に増加あるいは減少し続ける場合ではヒステリシスループが閉じないため、計数法が成立しない場合が存在する。レインフロー法では、そのようなループが閉じない部分も計数可能となっている。 頻度計数法の中でも特に優秀で、広く用いられている。ASTM規格の「ASTM E1049-85」では、標準的応力頻度計数法の一つとしてレインフロー法が整備・規格化されている。日本鋼構造協会の『鋼構造物の疲労設計指針』では、応力頻度計数法として「レインフロー法またはこれと同等の結果が得られる応力範囲頻度分布解析方法」を推奨している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「レインフロー法」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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