|
レイ・ソロモノフ(''Ray Solomonoff''、1926年7月25日 - 2009年12月7日)はアメリカの人工知能学者であり、アルゴリズム情報理論の創始者の1人〔Vitanyi, P. "Obituary: Ray Solomonoff, Founding Father of Algorithmic Information Theory" 〕。また、algorithmic probability を考案し〔detailed description of Algorithmic Probability in Scholarpedia 〕、機械学習と予測と確率に基づく人工知能の分野を創始した。1956年、非意味論的機械学習についての論文を発表している〔(pdf scanned copy of the original) 〕。 1960年に algorithmic probability についてカリフォルニア工科大学での会議で発表し〔Paper from conference on "Cerebral Systems and Computers", California Institute of Technology, Feb 8-11, 1960, cited in "A Formal Theory of Inductive Inference, Part 1, 1964, p. 1〕、同年2月には "A Preliminary Report on a General Theory of Inductive Inference" という論文を発表〔Solomonoff, R., "A Preliminary Report on a General Theory of Inductive Inference ", Report V-131, Zator Co., Cambridge, Ma. Feb 4, 1960, revision , Nov., 1960.〕。1964年には "A Formal Theory of Inductive Inference" の第一部〔Solomonoff, R., "A Formal Theory of Inductive Inference, Part I " ''Information and Control'', Vol 7, No. 1 pp 1-22, March 1964.〕〔Solomonoff, R., "A Formal Theory of Inductive Inference, Part II " ''Information and Control'', Vol 7, No. 2 pp 224-254, June 1964.〕と第二部を発表し、さらに考え方を明確化した。そこからコルモゴロフ複雑性とアルゴリズム情報理論が発展した。 algorithmic probability は、オッカムの剃刀〔Induction: From Kolmogorov and Solomonoff to De Finetti and Back to Kolmogorov JJ McCall - Metroeconomica, 2004 - Wiley Online Library.〕〔Foundations of Occam's razor and parsimony in learning from ricoh.com D Stork - NIPS 2001 Workshop, 2001〕〔Occam's razor as a formal basis for a physical theory from arxiv.org AN Soklakov - Foundations of Physics Letters, 2002 - Springer〕〔Beyond the Turing Test from uclm.es J HERNANDEZ-ORALLO - Journal of Logic, Language, and …, 2000 - dsi.uclm.es〕と多説明原理〔Ming Li and Paul Vitanyi, ''An Introduction to Kolmogorov Complexity and Its Applications.'' Springer-Verlag, N.Y., 2008p 339 ff.〕の組合せを数学的に定式化したものである。それは与えられた観察結果を説明するそれぞれの仮説(アルゴリズム、プログラム)に確率値を割り当てる機械に依存しない手法であり、最も単純な仮説が最も高い確率を割り当てられ、仮説が複雑になるほど割り当てる確率が低くなる。 他にも帰納推論の一般理論でも知られているが、確率的手法を用いて難しい問題を機械で解くという人工知能研究の過程で他にも様々な発見をしている。 == ダートマス会議まで == 1926年7月25日、オハイオ州クリーブランドでロシア人移民の子として生まれた。幼いころから好奇心が強く、数学的発見に純粋な喜びを見出す性質だった。16歳のとき(1942年)、数学の問題を解く万能の方法を探索しはじめた。1944年に高校を卒業するとアメリカ海軍に入隊し、そこでエレクトロニクスの指導員を務めた。1947年にシカゴ大学に進学し、ルドルフ・カルナップやエンリコ・フェルミの指導を受け、1951年には物理学の修士号を得て卒業した。 1950年から52年にかけて、3つの論文を書いている(うち2つはアナトール・ラパポートと共同執筆)〔"An Exact Method for the Computation of the Connectivity of Random Nets ", ''Bulletin of Mathematical Biophysics'', Vol 14, p. 153, 1952.〕。これらはネットワークの静的解析に関する最初の論文とされている。 1952年、マービン・ミンスキーやジョン・マッカーシーといった機械知性に興味を持つ人々に出会った。1956年にミンスキーやマッカーシーらが開催したダートマス会議にも参加している。1カ月間行われた会議で、最初から最後まで参加したのはミンスキーとソロモノフだけだった。この会議参加者によって初めて人工知能が学問分野の名称とされた。当時のコンピュータは非常に限定された数学の問題を解くことはできたが、それだけだった。ソロモノフは、機械をより汎用的に知的にするにはどうすればよいか、そしてそのためにコンピュータがどのように確率を扱えばよいかという大きな問題を追求したいと考えていた。会議中に "An Inductive Inference Machine" と題したレポートを書き、参加者に回覧した〔。それは機械学習を確率的なものとし、学習の重要性を強調し、過去の問題の解法の部分を新たな問題の解法構築の試行に利用するという考え方を提示したものである。1957年にはそれまでの結論をまとめて発表した〔An Inductive Inference Machine," IRE Convention Record, Section on Information Theory, Part 2, pp. 56-62. (pdf version) 〕。それらは確率的機械学習について書かれた世界初の論文である。 1950年代後半、確率的言語とそれに関連する文法を考案〔"A Progress Report on Machines to Learn to Translate Languages and Retrieve Information ", Advances in Documentation and Library Science, Vol III, pt. 2, pp. 941-953. (Proceedings of a conference in Sept. 1959.)〕。確率的言語は、それぞれの可能な文字列に確率値を割り当てる。確率的文法の概念を一般化することで、1960年の Algorithmic Probability の発見へとつながった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「レイ・ソロモノフ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|