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レドックス・フロー電池(レドックス・フローでんち、英:redox flow cell,redox flow battery)は二次電池の一種で、イオンの酸化還元反応を溶液のポンプ循環によって進行させて、充電と放電を行う流動電池。 redoxはreduction-oxidation reaction の短縮表現。「フロー」を略してレドックス電池と呼ぶこともあるが、分類としては流動電池(フロー電池)が上位にあたる。 1974年、NASAが基本原理を発表し、1980年代に研究が進み特許出願が進んだ。現在実用化されているのはバナジウム電池であり、主にこれについて記述する。 == 概要 == 重量エネルギー密度が低く(リチウムイオン二次電池の1/5程度)小型化には向かない。しかし、サイクル寿命が1万回以上と長く、実用上10年以上利用できる。さらに構造が単純で大型化に適するため、1000 kW 級の電力用設備として実用化されている。 セルの基本構造は図の通りで、実設備ではこれを幾重にも折りたたんだ多層構造としている。2種類のイオン溶液を陽イオン交換膜で隔て、両方の溶液に設けた電極(炭素製)上で酸化反応と還元反応を同時に進めることによって、充放電を行う。 当初は鉄イオンとクロムイオンを使う、鉄 - クロム系が主だったが、次第に両者が混合し容量が低下する問題があった。その後開発が進んだバナジウム系では1種類の元素だけを用いるため容量低下が起こらず、実用化に至った。バナジウムをオキソ酸ではなく単原子イオンとして保持すべく、対イオンには硫酸イオンが用いられている。また、臭素イオンを用いて重量エネルギー密度を倍増させる研究も行われているが、バナジウム臭化物の不安定さがネックとなっている。 日本では、1985年(昭和60年)から開発を進めていた住友電気工業株式会社が2000年(平成12年)ごろから製品の販売を開始している。大型化に適しているため、電力貯蔵用設備として日間負荷変動の平準化や瞬時低電圧(瞬断)対策、風力発電の発電力均等化などが主な用途である。同社は、2012年(平成24年)7月に同社横浜製作所で蓄電容量 5 MWh のレドックスフロー電池と集光型太陽光発電装置を組み合わせたメガワット級大規模蓄発電システムの実証運転を開始した。また、北海道電力と共同で、2014年度末までに北海道電力の基幹系統変電所に蓄電容量60MWhのレドックスフロー電池を設置し、風力発電や太陽光発電の出力変動に対する調整性能の実証を行う予定であったが、現地地質調査の結果から建設に時間を要することになり、実証実験は2015年12月25日から開始された。この実証実験は2019年3月まで実施される予定である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「レドックス・フロー電池」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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