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ログローリング ログローリング()とは、集合的決定における戦略的行動の一つ。政治学や社会的選択理論、及び経済学における公共選択論や公共経済学における概念の一つである。決定の際に票の取引を行うことをログローリングと呼び、主に議会における法案の投票の際に見られる。このことから票取引と呼ぶこともある。 == 立法過程におけるログローリング == 具体的なログローリングの例を以下に見てみたい。定数99の議会で議員Aと議員Bの二人の議員に焦点を当てることとする。今議会においては議題1と議題2の二つの議題について審議が行われており、議題1について法案X、議題2について法案Yがそれぞれ提出されているとする。議員Aは議題1に関して特定の利益があるために強い関心を持っているが、議題2に関してはこの議題から得られる効用は少なくさほど関心がない。逆に議員Bは議題2には強い関心を払っているが、議題1にはあまり関心がない。ここで議員Aは法案Xから利得を得るためこれを可決・成立させたい一方で、議題2に関しては一応法案Yに反対しているとする。他方で議員Bは法案Yの可決・成立を期したいと考えており、かつ一応は法案Xに反対しているとする。この時に法案Xを支持する議員が49対50で少数派であり、法案Yに賛成する議員も49対50で少数派であると仮定しよう。効用を最大化しようとする合理的な議員を仮定するならば、次のことが言えるであろう。すなわち議員Aはあまり関心のない、つまり自身の効用に関係ない議題2における自らの選好を放棄してでも議題1における法案Xの成立を優先させる。同様に、議員Bも自分の効用にあまり関わらない議題1おける自らの選好を放棄してでも議題2における法案Yの成立を優先させる。従って、議員Aと議員Bの間には一種の取り決めが成立することとなる。すなわち議員Aが議題2に関して偽の選好を表明して法案Yに賛成することを約束する一方で、議員Bも議題1に関して偽の選好を表明して法案Xに賛成することを取り決める。こうしてこのような取り決めの結果、法案Xは50対49で可決・成立し、法案Yも50対49で可決されることになる。このため議員A・Bは一定の制約の下ではあるが、自らの効用を最大化することに成功することとなる。この時に、議員Aと議員Bは法案Yへの反対票と法案Xへの賛成票を取引したことになる。またこのようにログローリングを行う投票者の集団(この場合は議員Aと議員B)を、取引連合と呼ぶ。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ログローリング」の詳細全文を読む
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