|
ロピタルの定理 (ロピタルのていり、) とは、微分積分学において不定形 (en) の極限を微分を用いて求めるための定理である。綴りl'Hôpital / l'Hospital、カタカナ表記ロピタル / ホスピタルの揺れについてはギヨーム・ド・ロピタルの項を参照。ベルヌーイの定理 (英語: Bernoulli's rule) と呼ばれることもある。本定理を (しばしば複数回) 適用することにより、不定形の式を非不定形の式に変換し、その極限値を容易に求めることができる可能性がある。 ロピタルの定理は、簡単には ''c'' を含むある開区間 ''I'' で微分可能な関数 ''ƒ'' と ''g'' において、 の値が 0 または であり、かつ極限 が存在し、かつ において が成り立つならば、 そのとき であることを主張する。 つまり、分子と分母を微分することにより不定形の分数を単純化あるいは非不定形に変換し、分数の極限値を簡単に計算できる可能性がある。 シュトルツ=チェザロの定理は数列の極限において類似の結果を与えているが、そこでは微分ではなく隣接項差分が用いられている。 本定理はスイスの数学者、ヨハン・ベルヌーイによって発見されたものであるとされている (ロピタルの定理論争を参照)。本定理の名称としては、欧州で最初の微分学書である l'Analyse des Infiniment Petits pour l'Intelligence des Lignes Courbes (1,696年, 直訳: 曲線の理解のための無限小の解析) を出版し、その中で本定理を広く世に知らしめた17世紀のフランスの数学者、ギヨーム・ド・ロピタルの名を冠してロピタルの定理と呼ばれることが通例である。ベルヌーイとロピタルとの間には契約があってロピタルは命名権のためにいくらかの対価を与えたということである。ロピタルの死後にベルヌーイが自分こそが定理の発見者であると暴露した〔志村五郎『数学をいかに使うか』筑摩書房刊、2012年(52ページ)〕。 == 定理 == ロピタルの定理の一般形は多くの場合に適用される。''c'' と ''L'' が拡張された実数 (en) (すなわち実数、正の無限大、負の無限大) であり、次の条件、 : : のいずれかが満たされるとする。また、 ''c'' を含むある開区間から ''c'' を除いた点において( であれば十分大きい実数に対して) が成り立つとする。ここで、極限 : が存在すれば、 : である。このときの極限は片側極限 (en) であっても良い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ロピタルの定理」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|