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ロータス・エフェクト : ウィキペディア日本語版
ロータス効果[ろーたすこうか]

ロータス効果(ロータスこうか、)は、材料工学において、ハス科の植物に見られる自浄性を指す用語ハス効果とも。
蓮(ハス、)は泥の多い池や沼を好むが、その葉や花はきれいな状態を保つ。ヒンドゥー教では蓮華は純粋さや善性の象徴とされ、中国や日本では「蓮は泥より出でて泥に染まらず」と言い習わして、やはり蓮を愛してきた〔出典は北宋の儒学者・周茂叔の述べた『愛蓮説』の、「予独愛蓮之出淤泥而不染」という一節である。〕。
ハスの葉を研究した植物学者により、そこに天然の自浄機構が備わっていることが発見された。
なお、「Lotus-Effect」と「ロータスエフェクト」は登録商標である〔www.lotus-effect.com/ (英語)〕〔ロータス効果を発見、製品化成功の植物学者Wilhelm Barthlott (ウイルヘルム・バルトロット)による登録商標番号4790998。他に全く別の日本の会社から「ロータスエフェクト」と「Lotus Effect」としてクッション座布団まくらなどの商品や役務の商標出願番号2009-031418から21もある。〕。
== 仕組みと応用 ==
ハスの葉はその微細構造と表面の化学的特性により、決して濡れることがない。葉の表面についた水は表面張力によって水銀のように丸まって水滴となり、泥や、小さい昆虫や、その他の異物を絡め取りながら転がり落ちる。この現象がロータス効果として知られる。
またサトイモ(里芋)の葉などでも微細構造と表面の化学的特性から同様の効果が見られる。
ナノテクノロジーの分野では、塗料、屋根材、布などの表面でロータス効果を再現し、それらを乾燥したきれいな状態に保つ方法の開発が行われている。これは通常、フッ素化合物シリコーンで表面を処理することで達成される。ポリエチレングリコールグルコーススクロースを組み合わせることでも同様の効果が得られる。今ではこの方法により自己洗浄を行う塗料や、温室の屋根に使うようなガラス板にロータス効果を持たせたものも市販されている。
超撥水性を得るため、ある方法では、洗浄したアルミニウムのブロックの表面を水酸化ナトリウム水溶液に2時間浸し、水洗・乾燥後にスピンコーティング法で厚さ約2ナノメートルパーフルオロノナン (C9F20) の膜を張った。これにより水滴との接触角が 67°から 168°に増大し、この効果はカッシーの式 (:en:Cassie's law) によって説明された。電子顕微鏡で見ると、そのアルミニウムの表面にハスの葉の表面に似た多孔性の微細構造が観察できた〔''Stable Biomimetic Super-Hydrophobic Engineering Materials'', Guo, Z.; Zhou, F.; Hao, J.; Liu, W. ''J. Am. Chem. Soc.'' 2005, ''127'', 15670-15671. DOI: 10.1021/ja0547836 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ロータス効果」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Lotus effect 」があります。



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