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ロー・ファンタジー(Low Fantasy)は、ファンタジーのジャンルの一つで、概念的にある程度明確な「ハイ・ファンタジー」の対概念として使用される。ただし幾分かの例外は存在する。 英語圏では元々、コミカルなファンタジー(コミック・ファンタジー)を示すための造語であった。 ロー・ファンタジーという言葉が何を指すかはかなり曖昧であり、どの作品がこのジャンルに属するのかについて、一般的な合意はない。この語を定義するために様々な試みが行われたが、いずれも支配的な位置を得ることはできなかった。つまり、「ロー・ファンタジー」とは、ファンタジーのサブジャンルに属する色々な作品を示すために使用される、一種の包括用語であるというのがより正確であろう。 それでも最大公約数的な定義を述べると、現実世界を主な舞台とする話、魔術や超自然的な要素が相対的に少ないファンタジー文学を指すのに使われることが多い。 スウェーデンのFantasy Book Clubが発行する月別セールスカタログとニュースレターに掲載された定義によれば、『ロー・ファンタジーは、我々の「現実の世界」に空想的な要素(例えば魔法やモンスター)が配置されるが、ハイ・ファンタジーにおいてそれらは、我々の世界と若干の類似点を有するか、あるいはまったく独自な世界に配置されるところに違いがある』とされている。 ロー・ファンタジーのサブジャンルもしくは関連ジャンルとしてエブリデイ・マジックがある。エブリデイ・マジックは、その名の示すとおり「日常における魔法」というシチュエーションに主眼を置いたものであり、作品の傾向によっては必ずしもファンタジーに当てはまらないものも多い。 また作品としてハイ・ファンタジーの一部であっても、ロー・ファンタジーに分類されるものもある。一例を挙げるとするならば、G・R・R・マーティンの『氷と炎の歌』シリーズの場合、ドラゴンや魔法が登場する架空の世界の物語であるが、中世イギリスや薔薇戦争をモチーフにした架空戦記であり、両側面を備えた作品であると言える。 == 代表的作品 == * ラルフ・イーザウ「ネシャン・サーガ」「盗まれた記憶の博物館」 * ミヒャエル・エンデ 「はてしない物語」 * ヒュー・ロフティング「ドリトル先生」シリーズ * 佐藤さとる「だれも知らない小さな国」シリーズ * パメラ・トラバース「メアリー・ポピンズ」シリーズ * イーディス・ネズビット「砂の妖精」シリーズ 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ロー・ファンタジー」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Low fantasy 」があります。 スポンサード リンク
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