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ロールス・ロイス・モーター・カーズ(''Rolls-Royce Motor Cars'' )は、イギリスの高級自動車メーカーである。BMWが1998年にイギリスウェスト・サセックス州グッドウッドに同社を設立し、ヴィッカースからロールス・ロイスブランドを引き継いで、ロールス・ロイスを製造・販売している。 == 設立までの経緯 == ロールス・ロイス(''Rolls-Royce Limited'' )は、1906年、イギリス北西部のマンチェスターに設立され、乗用車や航空機用エンジンを製作していたが、1971年に経営破綻し、国有化された。1973年、ロールス・ロイス社のうち自動車部門(ロールス・ロイス、およびベントレーブランドの乗用車の生産)のみが分離され、同国の工業メーカー、ヴィッカースに売却された。この再度民営化された会社がロールス・ロイス・モータース(''Rolls-Royce Motors'' )であり、1992年からはドイツのBMWとの提携を開始し、同社からロールス・ロイス・シルヴァーセラフに搭載するV型12気筒エンジンやベントレー・アルナージに搭載するV8エンジンの供給を受けるなどしていた。 1998年、ヴィッカースはロールス・ロイス・モータースの売却を決定、売却先としてはそれまでの経緯からBMWが最有力とされた。同年4月、3億4,000万ポンドでBMWへの売却成立が報じられたが、翌5月、同じくドイツのフォルクス・ワーゲンが4億3,000万ポンドの買収額を提示、同6月5日、同社による買収が決定した。 ところが、ロールス・ロイス(自動車部門)の売却時には、同じくロールス・ロイスを起源とする航空機用エンジンメーカーであるロールス・ロイス・ホールディングスが、ロールス・ロイスのブランドや企業ロゴマークなどの権利を保持する、との約定があった。その当時、ドイツに合弁会社BMW ロールス・ロイスを設立するなど、BMWとのジョイント・ベンチャーを行っていたロールス・ロイス・ホールディングスは、フォルクス・ワーゲンではなくBMWにそれらの権利を譲渡することを決定、ロールス・ロイスのブランドとロゴマークは、4,000万ポンドでヴィッカースからBMWに譲渡された。BMWとの航空機エンジンの合弁事業は後にロールス・ロイス・ホールディングスの会社であるロールス・ロイス・ドイツになった。 結果としてロールス・ロイスの本社と工場等の固定資産、ロールス・ロイスの企業マスコットであるスピリット・オブ・エクスタシー、大型で縦格子の入ったフロントグリルの意匠権、さらにベントレーブランドはフォルクス・ワーゲンの所有となる。その一方で、ロールス・ロイスのブランドやロゴマークを使用できるのはBMWであるというねじれが生じ、両社ともに完全なロールス・ロイスの乗用車を生産、販売することができない状態となった。またBMWは12か月の猶予を持って、ロールス・ロイス/ベントレー向けエンジンの供給を停止することが可能であった。 ここでBMWとフォルクス・ワーゲンは以下のような合意に達した。1つは、1998年から2002年までBMWはフォルクス・ワーゲンによるロールス・ロイスのブランド使用を認めるとともに、BMW製エンジンの供給を続ける。もう1つは、2003年1月1日からロールス・ロイスを生産・販売する権利はBMWが所有するというものであった。 2003年1月BMWはロールス・ロイスのブランドで乗用車を製造・販売することが可能となり、ここにロールス・ロイス・モーターカーズ社を、イギリス南部、ウェスト・サセックス州グッドウッドに設立した。この、かつての本拠地、マンチェスターとは異なる拠点が示すように、旧ロールス・ロイス・モータースが有していた生産設備、従業員、知的財産などの一切はフォルクス・ワーゲンの所有のままであり、BMWには移譲されていない。したがって、現在のロールス・ロイス・モーター・カーズは、ブランドと採用されている意匠こそロールス・ロイスの伝統を受け継いでいるものの、実態はBMWによる全く新規の自動車会社となっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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