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ワイヤーストリッパー()とは、被覆電線などの被覆を剥がすための工具である。一般的にワイヤーストリッパーと言えば多くは手持ち工具で、用手可能なサイズの電線に用いられる。ケーブルストリッパー()や単にストリッパーとも呼ばれている。 一般的に工具メーカーでは「対象線材名称+ストリッパー」の形で名称が付けられている。俗称、略称には、ワイスト、皮剥き器などと呼ばれることもある。 == 概説 == この種の工具の目的は、第一に「電線被覆を除去する」ことにあり、次にその効率化、省力化を図るためにさまざまな種類のワイヤーストリッパーが開発されている。第一目的である被覆を除去するという目的だけであれば、このような専用の工具を用いなくとも目的を果たすことが出来る。例えば、カッターナイフを使って切り取ってもよいし、ニッパーやペンチを使用してうまく被覆を切り取ることも出来る。実際、大概の電線はナイフなどで加工することは十分に可能である。 しかしながら、そのような別種の工具の応用にて被覆を除去すると、様々な問題が発生することがある。一つに、芯線への傷付けがある。単芯線に傷をつけると、その部分は僅かに断面積が減少する。電線の抵抗値はその断面積が減れば減るほど大きくなる特性があり、もしその電線に大きな電流が流れる場合、その部分を原因とする抵抗値の増大、ひいては発熱を起こすこととなってしまい、最悪の場合発煙、火災の原因となりかねない。また、傷つきが酷い場合機械的強度が低くなり、ケーブルの動揺につれて断線してしまうことも考えられる。なお、電気工事士試験においては欠陥工事として減点の対象となる。 もう一つに、より線における問題は、束ねてある芯線のうち何本かを切断してしまう事例である。上記と同様、抵抗値の増大による危険のほか、切れた芯線は圧着や半田付けを逃れて"遊んで"しまうこととなり、隣接電線などへの短絡の危険がある。その他、より線が多く使用される通信、音響の分野ではノイズ、雑音の原因となってしまうことがある。切れた芯線が接触・離脱を繰り返すことで電気的ノイズになってしまうのである。 このような問題を回避するためにあるワイヤーストリッパーではあるが、このような工具が登場する以前や、現在でも多くの工具を携行できない工事のような場合はワイヤーストリッパーが使用できない場合が少なからずある。このような場合は電工ナイフやニッパー・ペンチなどを使用せざるを得ないし、古くからこのような工具で欠陥のない皮むきを行うことは一つの技能でもあった。実際、ごく近年まで電気工事士試験ではワイヤーストリッパーの使用は認められていなかった。 このように、ワイヤーストリッパーは熟練を要さず、効率的に、高い品質で被覆除去を行うためにある工具なのである。特に、生産の現場ではこのことは重要なファクターとなる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ワイヤーストリッパー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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