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ワウペダル (Wah-wah pedal)とは、車のアクセルペダルのようなイメージで筐体につけられたペダルを足で操作する事により、聴感上強調される周波数帯を変えるエフェクターである。回路的にはバンドパスフィルタの一種と言える。エレキ・ギターだけでなく、ベースやキーボード、クラビネット、トランペットなど、多くの楽器で使用されている。 == 概要 == ペダルの下部にある可変抵抗器が回転し、文字通りペダルを踏んだとおりに「ワウ・ワウ」と鳴る。商品名によって「クライベイビー」との名称でも示されるように感情に最も近いエフェクトとも言われる。VOXワウワウやクライベイビー、ブッダ・ワウなどの種類がある。 踏み込んだペダル位置に応じて音質が変化し、ぎらついたり、こもったように聞こえる。 代表的な使用方法として、リズミカルに開閉させるように踏む方法で、ジミ・ヘンドリックスに代表されるようなパブリックなワウサウンドになる。また、ジェームス・ブラウンやアイザック・ヘイズ、カーティス・メイフィールド、テンプテーションズ、BTエクスプレスらのファンク・サウンドでのワウワウ・ギターの使用は大変有名である。ラロ・シフリンも、「燃えよドラゴン」でワウワウを使っていた。モータウンの ワー・ワー・ワトソンやデニス・コフィーは、ワウワウ・ギターの名手として知られている。 ワー・ワー・ワトソンは、テンプテーションズやローズ・ロイスのアルバムで、ワウペダルを使用した演奏を披露した。 ブルースでは、ハウリン・ウルフやマディ・ウォーターズの70年代のアルバムで、ワウワウ・ギターを使用したサウンドを聴くことができる。 ロックでは、シカゴやローリング・ストーンズも、ワウペダルを使用した曲を発表している。また、エリック・クラプトンがギターのトーン操作で多用したウーマントーンに近い音質や、フランク・ザッパ、マイケル・シェンカーが多用する鼻をつまんだ様な音も作ることが出来る。スティーヴ・ヴァイは、人の声や猫の鳴き声などをワウペダルを用いた演奏によって再現した。 エレキ・ギター以外でも、ベースやクラビネット、キーボードやトランペットスネアドラム、サックスなどで使用するアーティストが存在する。ベースではマイケル・ヘンダーソンが、マイルス・デイヴィス「オン・ザ・コーナー」(1972年)で。クラビネットではジョン・メデスキ、スライド・ギターではロバート・ランドルフが、それぞれワウペダルを使用している。ザ・バンドのガース・ハドソンやピンク・フロイドのリック・ライトは、キーボードでワウペダルを使った。キング・カーティスのサックスでの使用も確認できる。トランペットではランディ・ブレッカー、マイルス・デイヴィス、近藤等則等の使用が知られている。彼らはピックアップによって電気化したトランペットによってワウペダルの効果を得ている。マイルス・デイヴィスによって広く知られるようになったが、初めて使用したのはランディ・ブレッカーで、ジョン・アバークロンビーの機材をスタジオで借りたのが最初だと語っている。近藤等則は、さらにワーミーやディストーションを加えて、激しい音を出している。 ワウエフェクトをバイパスした状態で操作すると、ボリュームペダルとしての効果を得られる物も多くあるが、内部構造のギアの噛み合わせと音色の兼ね合いによっては、使い難くなる事がしばしば発生する。 筐体が共通又は良く似たボリュームペダル自体はジョージ・ハリスンがビートルズ時代に、(本人が意図したかどうかは別として)ストリングスとオルガンとの中間的な効果を狙って、ピッキングの音を消すのに使用したり、ROOM335で有名なラリー・カールトンが非常に細かくヴォリュームペダルを操作する事で有名(ストラトキャスターなどのギターの場合、リッチー・ブラックモアなどのハードロック系ギタリストやジェフ・ベックなどのインストルメンタル系ギタリストがよく使用した、ピッキングの際にボリュームを下げ、その直後にボリュームを上げる方法もあり、同様の効果を得られるが、これは、エフェクターではないので除く)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ワウペダル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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