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ヴェイパーロック現象 : ウィキペディア日本語版
ベーパーロック現象[べーぱーろっくげんしょう]
ベーパーロック現象(ベーパーロックげんしょう、vapor lock)とは、自動車フットブレーキ過熱した際、伝達経路である液圧系統内部に蒸気 (vapor)による気泡が生じることをいう。この状態でブレーキペダルを踏んでも気泡が圧力を吸収してしまいブレーキは効かない。
同様の現象はや燃料系でも起こるが、燃料が熱せられて気泡を噛む現象はパーコレーション沸騰)と呼ばれ、区別されている。
== 概要 ==
これは、自動車などのブレーキに採用されている、液圧式ブレーキではある程度避けられない現象で、強い、または長い制動での際に発生する。ブレーキに使われている摩擦材が持った熱の冷却が間に合わずにブレーキキャリパが過熱し、制動力を伝達するブレーキフルードの一部が沸騰してしまい、ブレーキ配管内に気泡(蒸気)が発生することによって起こる。
液体はほとんど圧縮されないため効率良く圧力を伝えることができるが、気体体積が無くなるまで容易に圧縮されるため、ブレーキペダルを踏んでも、ブレーキの液圧系統内部の気泡を潰すだけで、ブレーキ液の圧力はほとんど変化しない。これは、蒸気圧温度関数であって体積の関数ではないことによる。そのため、ブレーキペダルからの力がブレーキキャリパまで伝わらなくなり、結果としてブレーキが効かなくなる。この状態を、ベーパーロック現象と呼ぶ。症状としては、それまで踏み応えのあったブレーキペダルに反力が無くなり、数回ポンピングしても制動力が立ち上がらない状況となる。
パワーステアリングではフルードがリザーブタンクに戻る際に大きな気泡が消えることが多く、それほど深刻な状況とはならないが、フルードの過熱が激しい場合は油圧回路内に混入する気泡が増え、アシスト力が伝わらなくなる。(燃料系はパーコレーションを参照)。
ベーパーロックは、主に、高速域での強いブレーキングや、長い下り坂でのフットブレーキの使用過多により発生する。フットブレーキを解除することで、多くの場合は走行風により冷却され、やがて回復する。長い下り坂などでは、あらかじめ速度を落とすことや、低めのギアを選び、エンジンブレーキ回生ブレーキや、その他の補助ブレーキ(排気ブレーキリターダ)による抑速を効果的に利用することで、フットブレーキへの依存度が低くなり、ベーパーロックを予防できる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ベーパーロック現象」の詳細全文を読む



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