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ヴェローナの二紳士[ヴぇろーなのにしんし]
『ヴェローナの二紳士』(ヴェローナのにしんし、''The Two Gentlemen of Verona'')は、ウィリアム・シェイクスピアの初期の喜劇。シェイクスピア劇の中では登場人物の数が最も少なく、ヒロインが少年に変装する最初の作品。テーマは友情と背信。一部で劇の呼び物と言われているのは、プローテュースの道化た召使いラーンスとその犬クラブで、クラブは「シェイクスピア正典中、最も場面をかっさらった喋らない役」とも言われている〔Stanley Wells, introduction to ''The Two Gentlemen of Verona,'' in ''William Shakespeare: The Complete Plays: Early Comedies'', London, Folio Society, 1997, p. 4.〕。 == 材源 == シェイクスピアが『ヴェローナの二紳士』の材源としたのは、ポルトガルの劇作家ホルヘ・デ・モンテマヨール(Jorge de Montemayor)のスペイン語散文ロマンス劇『魅せられたディアナ』(''Diana Enamorada'')である。この作品は1559年に発表され、1578年にフランス語訳、1598年に英語訳が出版されたが、英訳はその数年前には済んでいた。シェイクスピアはフランス語版あるいは出版前の英語版を読むことができたか、1585年の失われた作者不詳のイングランドの戯曲『フェリックスとフィリオミーナの物語』(''The History of Felix and Philiomena'')で知ったと信じられている〔Jean E. Howard, introduction to ''The Two Gentlemen of Verona,'' in ''The Norton Shakespeare: Comedies'', London, Norton, 1997, p. 80.〕。 『魅せられたディアナ』の第2話で、ドン・フェリックスはフェリスミーナに恋し、恋文を送る。フェリスミーナは『ヴェローナの二紳士』のジュリア同様に恋文を拒み、侍女と悩むふりをする。一方、フェリックスもプローテュース同様に父親に旅に出され、少年に変装したフェリスミーナを小姓にする。フェリスミーナはフェリックスが新たにセリアに思い寄せていることを知り心を痛め、さらにフェリックスの使者としてセリアの元に使わされる。二人の恋人たちは森の中での戦いの後、最後に和解するが、セリアは架空の小姓に恋し、悲しみながら死んでゆく。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヴェローナの二紳士」の詳細全文を読む
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