翻訳と辞書 |
ヴォーロス
ヴォーロス〔アレグザンスキー 1993、伊東 2002、中堀 2013で確認したカタカナ表記。他に、ワーナー 2004、和田 1997ではヴォロスとも。〕 (Volos 〔伊東, 2002、中堀, 2013、和田 1997で確認した綴り。〕) あるいはヴェーレス〔アレグザンスキー 1993、伊東 2002で確認したカタカナ表記。他に、和田 1997ではヴェレスとも。〕 (Veles 〔伊東 2002で確認した綴り。〕) は、スラヴ神話の神である。 == 信仰 == ヴォーロス (Volos) の名前に似たロシア語volosが「毛髪」、volosatyjが熊の忌み語である「毛むくじゃら」を指すことから、熊と関係する獣の姿をした神という説がある〔中堀 2013, p. 112.〕。ザヴォールジエ地方ではヴォーロスは熊への信仰に関連づけられた〔伊東 2002, p 52.〕。 ヴォーロスは『原初年代記』907年、および971年の項では家畜の神とされている〔中村訳 1985, p. 14.〕。また、夜空の星を放牧された家畜に見立て、ヴォーロスをそれらを見守る月神ともみなすこともあった。人々にとって家畜が重要な財産であったことから、その守り神であるヴォーロスは財宝や豊穣多産も司るとされた〔中堀 2013, p. 113.〕。 ヴォーロスについては、ルーシとビザンティン帝国との間で907年、945年、971年に締結された平和条約の中に、ペルーンと共に重要な役割を担った旨が記載されている。また、『原初年代記』では、907年のルーシによるコンスタンチノープル攻略後の平和条約の締結の際、ルーシの戦士達がヴォーロスとペルーンの前で武器に誓いを立てている〔ワーナー 2004, p. 15.〕。このようにペルーンと共に重要視される神格ながら、キエフ大公ヴラジーミルが建てたキエフの神殿にはヴォーロスの像が置かれていない。おそらくは、軍神として戦士達と守護するペルーンとは役割が異なり〔ワーナー 2004, p. 16.〕、一般の人々にとってより身近な存在として、丘の神殿にペルーンらの像が置かれる前にすでにヴォーロスの像が丘の麓にあったと考えられている〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヴォーロス」の詳細全文を読む
スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース |
Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.
|
|