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一物一価の法則 : ウィキペディア日本語版
一物一価の法則[いちぶついっかのほうそく]
一物一価の法則(いちぶついっかのほうそく、英語:law of one price)とは、経済学における概念で、「自由な市場経済において同一の市場の同一時点における同一の商品は同一の価格である」が成り立つという経験則。
==概要==
自由闊達で障壁のない市場において、誰もが価格を統制することができない(プライステイカー:価格受容者)ような場合、取引数量と取引価格は均衡点で約定されるというのが、アダム・スミス以来の古典派経済理論における重要な命題である。しかしアダム・スミス自身が国富論で論じているように現実の経済はこのような理想的な自由競争が行われているわけではなく〔たとえば「分業(による特化)は市場の範囲(規模)により制限される」とするアダムスミスの定理は完全競争とは矛盾すると考えられていた。「アダムスミスの命題群」奥山利幸〕、これは古典派経済学を理論的に精緻化していく上での一つの障害であった。
すべての参加者がプライステイカーである場合、同一の市場においては、同じ品質の商品(財の同質性)が異なる価格で取引されることはない。もし異なる価格で売られていることが消費者に知られている(完全情報)ならば、その場合には、その時点において最も低い価格の商品が購入されることになるからである。ただし、これは経験則であるので、常に成り立つという訳ではない。
これに対して、別々の市場において同じ商品が異なる価格で取引されている場合、裁定取引によって両者の価格差が収斂(市場が接続)することで一物一価が成立する。
逆説的であるが、常に同一の価格が成立するところを同一の市場と呼んでも差し支えない〔岩波経済学小辞典第三版〕。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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