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一酸化窒素合成酵素(いっさんかちっそごうせいこうそ、英:Nitric Oxide Synthase(NOS)、EC 1.14.13.39)とは、窒素酸化物である一酸化窒素(英:Nitric Oxide、NO)の合成に関与する酵素である。NOは単純な化学的構造を持つ分子であるが、常温において気体の状態で存在し、生体膜を自由に通り抜けて細胞情報伝達因子として機能する。NOはアポトーシス、血圧変動などの過程に関与する。NOSは常時細胞内に一定量存在する構成型NOS(cNOS)と炎症やストレスにより誘導される誘導型NOS(iNOS、NOS2)に分類され、さらにcNOSには神経型のnNOS(NOS1)と血管内皮型のeNOS(NOS3)が存在する。近年ではミトコンドリアにもNOSの存在が示された(mtNOS)〔La Padula P, Bustamante J, Czerniczyniec A and Costa LE.(2008)"Time course of regression of the protection conferred by simulated high altitude to rat myocardium: correlation with mtNOS."''J.Appl.Physiol.'' 105,951-7. PMID 18566187〕。 == 機能 == NOSはアミノ酸であるL-アルギニン(L-Arg)からL-シトルリン(L-Cit)とNOを合成する代謝反応に関与する酵素である。NOSの補酵素としてカルモジュリンや還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)が働いている。以下は、NOSにより生成されたNOの生理作用として代表的なものを挙げる。 ;血管拡張作用 :NOは細胞内可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)を活性化させる作用を持ち、グアノシン三リン酸(GTP)の高エネルギーリン酸結合部位の切断により生成した環状グアノシン一リン酸(サイクリックGMP、cGMP)はプロテインキナーゼGを活性化する。これにより平滑筋の収縮に関与するカルシウムイオンの細胞内流入は抑制されるため、結果として血管平滑筋は弛緩し拡張する。末梢血管の拡張により血圧は低下する。また、NOの産生経路は亜酸化窒素の分解による経路も存在する。狭心症治療薬であるニトログリセリン(硝酸薬)は細胞内亜酸化窒素量を増加させることによりその作用を発現する。 ;血小板凝集抑制作用 :血管内皮細胞により産生されたNOは血小板内のcGMPレベルを上昇させることにより血小板凝集を抑制すると考えられている〔Benjamin N,Dutton JA and Ritter JM.(1991)"Human vascular smooth muscle cells inhibit platelet aggregation when incubated with glyceryl trinitrate: evidence for generation of nitric oxide."''Br.J.Pharmacol.''102,847-50. PMID 1906768〕。この作用はアラキドン酸代謝物であるトロンボキサンA2の血小板凝集促進作用と拮抗する。 その他にもNOは細胞障害作用や殺菌作用など種々の作用を示す。詳細は一酸化窒素を参照のこと。'102,847-50. PMID 1906768〕。この作用はアラキドン酸代謝物であるトロンボキサンA2の血小板凝集促進作用と拮抗する。 その他にもNOは細胞障害作用や殺菌作用など種々の作用を示す。詳細は一酸化窒素を参照のこと。 '102,847-50. PMID 1906768〕。この作用はアラキドン酸代謝物であるトロンボキサンA2の血小板凝集促進作用と拮抗する。 その他にもNOは細胞障害作用や殺菌作用など種々の作用を示す。詳細は一酸化窒素を参照のこと。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「一酸化窒素合成酵素」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nitric oxide synthase 」があります。 スポンサード リンク
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