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『七つの時計』(ななつのとけい、原題:''The Seven Dials Mystery'')は、1929年にイギリスの小説家アガサ・クリスティが発表した長編推理小説である。 ロンドン警視庁のバトル警視登場2作目の作品。 == あらすじ == 鉄鋼王サー・オズワルド・クートがケイタラム卿からチムニーズ館を借り受けていた期限が終わろうとするころ、ジミー・セシジャーとジェリー・ウェイド、ロニー・デヴァルー、ビル・エヴァズレーの4人はチムニーズ館に宿泊客として滞在していた。ある日、毎日昼近くまで寝ているジェリー・ウェイドを起こすためのイタズラを思いついたほかの3人は、夜中に8個の目覚まし時計をセットして朝を待った。しかし翌朝、目覚ましが鳴ってもジェリーは目覚めることはなかった。ジェリーは多量の睡眠薬を飲んで死亡していた。しかも、ベッドに仕掛けたはずの目覚まし時計が7個、マントルピースの上に並べられ、残りの1つは庭に投げ捨てられていた。 数日後、オズワルド・クートから返還されたチムニーズ館に戻ってきたケイタラム卿の娘バンドルは、自室の机の中から、ジェリーが義妹のロレーンに宛てた手紙を見つける。手紙には「セブン・ダイヤルズの一件、どうか忘れてくれ」と記されていた。翌朝ロンドンに向かうために車を飛ばしていたバンドルは、目の前に飛び出してきた男を何とかかわしたものの、路上に倒れたその男は「セブン・ダイヤルズ……伝えて……ジミー・セシジャー」と言い残して死亡した。車にはねられて死んだのではなく、実は射殺されたその男はジェリーの親友のロニー・デヴァルーだった。 ジェリーとロニーの死に共通するセブン・ダイヤルズに疑惑を感じたバンドルは、まずジミー・セシジャーに会いに行く。そこへちょうどジミーを訪れていたジェリーの義妹のロレーンとも出会い、ジミーと3人で情報交換しあう。どうやらセブン・ダイヤルズは国際的な秘密結社で、戦時中ドイツで諜報活動を行っていた際にその秘密を知ったジェリーはロニーに何か相談したのではないか、そして、ジェリーの死に疑問を感じたロニーがセブン・ダイヤルズのことを調べようとしたため、彼は消されたのではないかと。また、ジェリーの部屋のマントルピースの上に並べられていた7個の時計は、セブン・ダイヤルズを意味しているのではないかと。 さらにバンドルが、政府高官のジョージ・ロマックスがワイヴァーン荘で政治的なパーティーを開こうとしているところに、セブン・ダイヤルズから脅迫状が送られてきたという話を思い出して、2人にそのことを話す。そして、何かが起きるであろうそのパーティーにジミーとバンドルが出席することに決める。 さらにバンドルは、ロンドン警視庁に旧知のバトル警視を訪ねて、ジェリー・ウェイドとロニー・デヴァルーの死にセブン・ダイヤルズが関係していることを話し、セブン・ダイヤルズについての情報を求めたところ、この件に関わらないよう忠告される。それでもしつこく食い下がるバンドルに、バトルはしぶしぶながら、ビル・エヴァズレーに聞けば必要な情報が手に入るとヒントを与える。 翌晩、ビル・エヴァズレーに会ったバンドルは、イーストエンドにあるセブン・ダイヤルズ・クラブというナイトクラブを教えてもらい、彼にそこへ連れて行ってもらったところ、ひと月前までチムニーズ館の従僕だった、給仕のアルフレッドに出会う。翌夕、もう一度クラブを訪れたバンドルは、アルフレッドにクラブの中を案内させ、賭博室の奥の秘密の部屋がセブン・ダイヤルズの会合の部屋で、今晩その会合が行われると察知する。 その部屋の戸棚に隠れたバンドルは、そこに集まった時計の絵を描いたベールを被ったセブン・ダイヤルズのメンバーを見た。彼らはワイヴァーン荘で行われるパーティーと、その出席者の1人であるヘル・エーバーハルトの発明品が何百万ドルもの価値があり、何人もの人命と引き換えにする値打ちのものであることを話し合っていた。さらにバンドルは、彼らの組織のことを記したジェリー・ウェイドの手紙をバンドルに見つけられたのは、バウアの失策であると話すのを聞き及ぶ。バウアはチムニーズ館に新しく雇われた従僕だった。 ワイヴァーン荘のパーティーで、エーバーハルトが発明した鋼鉄の新しい製法の公式を記した書類をセブン・ダイヤルズが盗もうとしていると考えたバンドルとジミー・セシジャーは、パーティーに出席していたビル・エヴァズレーにそれまでの経緯を打ち明けて仲間に加え、ジミーとビルが交替で不寝番をすることにする。そしてその夜、格闘の音とともに、2発の銃声が屋敷中に響き渡る……。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「七つの時計」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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