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火田 七瀬(ひた ななせ)は、筒井康隆のSF小説『家族八景』、『七瀬ふたたび』、『エディプスの恋人』(七瀬シリーズ〔筒井康隆『筒井康隆漫画全集』実業之日本社、2004年、p.187〕〔筒井康隆『腹立ち半分日記』角川文庫、1982年、p.325〕あるいは七瀬三部作〔筒井康隆『腹立ち半分日記』角川文庫、1982年、p.219〕と総称される)の主人公。人の心を読む力を持つ超能力者(テレパス)の女性。 『エディプスの恋人』を除き、繰り返し映像化・漫画化された。中でも『七瀬ふたたび』は、同じく筒井の『時をかける少女』とともに繰り返し映像化されたことから、評論家の大森望は日本SFの核のようになっていると評している〔大森望、山岸真「テーマ・アンソロジーを編む楽しみ」『S-Fマガジン』2010年9月号、早川書房、p.220〕。 『ビックリハウス』誌のキャラクター人気投票で1位になったことがある〔筒井康隆『筒井康隆集』実業之日本社、2004年、p.187〕。 == 劇中の設定 == ===家族八景=== 姓の火田の読みは「ひた」。新潮文庫の2002年改訂版からルビが振られ、この読みであることが明示された〔p.132〕。 高校卒業後〔p.102〕、住み込みのお手伝いとして様々な家庭を渡り歩いている。これは自らの超能力が発覚する危険を回避するため、一個所に長く落ち着かずに社会から身を遠ざけることが理由である〔p.217〕。『家族八景』劇中では18歳から20歳間近で〔pp.10、55、172、204、261〕、この約2年間に作中に描かれただけで8軒の家庭を転々としている。美人だが〔pp.215-216〕、痩せていてガリガリ〔p.71〕。19歳を過ぎると急に肉体的に成熟して女らしくなったが、あえて地味な服装で化粧もせず、お下げで子供っぽい髪型をしている〔pp.204、216、260-261〕。処女であり〔p.15〕、貞操が危険にさらされることもあった〔pp.115-117〕。美貌と肉体的成熟によって男たちの強い関心を惹くようになり、その危険から20歳直前に家政婦をやめることを決意した〔p.261〕。 七瀬の読心能力は8km離れるまで人の心を読める〔p.66〕。この能力は生来のもので幼い頃は自らの能力を勘であると思っていた〔p.40〕。やがて超能力者であることを自覚して、中学から高校にかけては関連の書物を読んで超能力の本を読みあさるが納得のいく回答は得られなかった〔pp.105-106〕。自分の読心能力については珍しい才能であるとは考えておらず、聴覚や視覚の一種という感覚〔p.10〕。父の火田精一郎も若き頃に超心理学の超能力研究の被験者として著しい好成績を残していたが〔p.146〕、七瀬が高校2年生のときに死去した〔p.152〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「火田七瀬」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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