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七生養護学校事件(ななおようごがっこうじけん)は、日本の東京都日野市にある都立七生養護学校(現東京都立七生特別支援学校)で知的障害を持つ児童に対して行われていた性教育の授業内容が不適切であるとの非難を受け、東京都教育委員会が当時の校長及び教職員に対し厳重注意処分を行った事件の通称。 この事件に関連し、都教委の処分が教育への不当介入に当たるとして都教委及び東京都議会議員3名に対して損害賠償を求める訴訟と元校長が本件を理由とする降格処分の取り消しを都教委に求める2件の訴訟が起こされている。訴訟の原告(元教員)やその支援者の間では、中止された授業の名称に由来する「こころとからだの学習」裁判(「ここから」裁判)との通称が使用されている。 == 事件の概要 == 1997年に七生養護学校の在校生である女子生徒が男子生徒と性的関係を持ったことが発覚し、この問題を受けて教員と保護者が協議を重ね知的障害を持つ児童に対する同校独自の性教育プログラムを開発。「こころとからだの学習」と名付けられたこの授業は男性器と女性器の部位や名称を織り込んだ歌や人形を使った授業方法で注目を集め、同様の悩みを持つ他地域の養護学校からの研修も積極的に受け入れていた。 これに対し、2003年7月2日に都議会で質問した都議会議員・土屋敬之(当時民主党所属〔2009年に党を除籍され、日本創新党を経て日本維新の会に所属。2013年都議選には出馬せず引退。〕)は授業内容を「世間の常識とかけ離れた教育だ」と述べ、都教委に「毅然とした対処」を要求。東京都知事・石原慎太郎も「異常な信念を持って、異常な指示をする先生というのは、どこかで大きな勘違いをしている」と答弁した。7月4日に七生養護学校を視察した土屋、自民党の古賀俊昭と田代博嗣の都議3名が授業内容につき「常識では考えられない」「不適切」としたうえで、養護教諭に対して「こういう教材を使うのをおかしいと思わないのか」「感覚がまひしている」と強く非難。さらに、田代が無断で資料を持ち去ろうとしたのを止められた際に「何を持っていくかは、俺達が責任をもって持って行くんだから、馬鹿なことをいうな! 俺たちは国税と同じだ。1円までも暴いてやるからな。生意気なことを言うな!このわけのわからない2人(養護教諭)は(学校から)出て行ってもらってもいいんだ」と発言(訴訟における原告側準備書面より)。この視察を受けて、7月23日には土屋が代表、古賀・田代の2名が副代表を務める「日本の家庭を守る地方議員の会」が都議会議事堂において「不適切な性教育教材展示会」を開催した。 こうした七生養護学校側への非難の高まりを受けて、都教委は9月に「授業内容が不適切である」として授業に使用された教材145点を没収すると共に、当時の校長に対しては「教員の定数について虚偽の報告を行った」等の理由で教諭への降格並びに停職1ヶ月の懲戒処分を命じた。また、授業に関わった教員ら31名に対しては厳重注意処分が下されたが、処分理由はいずれも問題視された授業内容とは直接関係の無いものであった。 この事件の余波は国政にも及び、自民党は安倍晋三を座長、山谷えり子を事務局長とする「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」を2005年1月に発足させる。5月26日には八木秀次らをパネリストに迎え「過激な性教育・ジェンダーフリー教育を考えるシンポジウム&展示会」が開催され、古賀が七生養護学校の性教育授業が中止されるまでの経緯について報告した。 2005年1月24日、東京弁護士会は処分を受けた教員らの人権救済申し立てに基づき、都教委の処分には重大な違法性が認められるとして警告文を送付した〔東京都教育委員会の都立七生養護学校の性教育に対する処分に関連する警告書要約版 (東京弁護士会)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「七生養護学校事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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