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『燃えよ剣』(もえよけん)は、司馬遼太郎の長編歴史小説。新選組副長土方歳三の生涯を描く。1962年(昭和37年)11月から1964年(昭和39年)3月にかけ『週刊文春』に連載され、単行本は新潮社で上下巻にて刊行、現在は新潮文庫上下巻(改版2007年)で重版している。 なお本項では、本作を題材にした映像作品なども併せて記述する。 == 内容 == 多摩時代から新選組結成、各地での戦闘、そして箱館戦争において土方歳三が戦死するまでが、「喧嘩師」の生涯として描かれている。 多摩時代の土方は「女は身分」であり、「女と喧嘩は(どちらも血の臭いがするので)似ている」とされ、女性に関しては周囲に知られぬよう、決して表立たせたりはしない、猫のような人物とされている。また多人数での喧嘩のたびに詳細な地図を描き、そこから作戦を練るといった才能を示し、天性の将才を持った人物として描かれている。 当初は家業「石田散薬」を売り歩く「薬屋」として行商を続けるが、武蔵国府中の祭りで出会った宮司の娘「佐絵」と通じる。後に神社境内に佐絵目当てで通っているところを用心棒「六車宗伯」に見つかり、初めて人を斬ることとなる。そこから発し、八王子比留間道場師範代、七里研之助との因縁が始まる。 新選組の副長になってからは局長の近藤勇を補佐し、自らは裏方、憎まれ役に徹し、新撰組の組織作りに力を注ぐ。新選組は彼の「芸術的な作品」として、その強化がなされていく。一方で俳句を作ることを趣味とするが、その下手さを沖田にからかわれたりしている。後に俳句のことは、フランス軍事顧問に「あるていすと」=「アーティスト・芸術家」といわれたりもするが、筆者はもうひとつの意味、「あるていすと」=「変わった人」として歳三を紹介している。 佐絵とは京都でも再会するが、想いの強かった佐絵の変わりよう、また佐絵との行為へと急いだ気持ちに、自分ながらに幻滅してしまう。また佐絵から七里へと自分の行動が筒抜けとなり、自分の命、宿命と向き合う羽目ともなる。 下巻からは近藤勇が高台寺党残党狙撃により右肩を負傷して以降、新選組を率いていく。鳥羽・伏見の戦いでの敗戦、さらに江戸帰京後には、沖田総司は肺結核により千駄ヶ谷で療養・離脱、甲州勝沼の戦い後には永倉新八や原田左之助などの主要メンバーが脱退し、京時代の新選組は組織的に瓦解を迎える。 千葉流山駐屯後、近藤が捕われ斬首された後は、「北征編」として描かれ、土方は宇都宮、会津、箱館と転戦していく。洋式軍隊に通じ、一個大隊を率いることができるという点では大鳥圭介以上の存在とされ、フランス軍事顧問団に「陛下(皇帝ナポレオン3世)が欲しがるでしょう」といわれている。土方自身も「刀槍ではなく、洋式軍隊でやり合ってやろう」といっていた通り、江戸に帰ってきた後は、一人の剣客としてではなく洋式軍隊の将校:士官としての土方の姿が描かれている。 戦う一方で、京都以来の恋人、お雪との出来事が合間合間に挟まれている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「燃えよ剣」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Moeyo Ken 」があります。 スポンサード リンク
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