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三昧耶戒 : ウィキペディア日本語版
三昧耶戒[さんまやかい]
三昧耶戒(さんまやかい)とは、仏教の教えの一つである「後期大乗仏教」に分類される密教において、その教えを学ぶ前に結縁や許可を目的とする灌頂の儀式を通じて、これから密教を学ぶための資格と義務として、信者や僧侶・瑜伽行者らに与えられる「密教独自の戒律」を指して言う。三昧耶(samaya:サマヤ)とはサンスクリット語で「約束」や「契約」を意味し、三昧耶戒は「(仏との)約束に基づく戒め」、あるいは「密教における誓約」というような意味になる。
== 概略 ==
いわゆる仏教の戒律には、歴史的な流れに沿って段階的に小乗仏教(狭義の声聞・縁覚乗)の戒律、大乗仏教の戒律、密教の戒律があり、このうち、密教だけに存在する戒律のことを『三昧耶戒』という。
密教には大きく言って、初期密教と中期密教、後期密教の三つがあるが、中期密教と呼ばれる「日本密教」と、後期密教と呼ばれる「チベット密教」、その両者の中間に位置するともいえる「中国密教」では、現在、それぞれが継承している戒律の系統や内容の理解には多くの違いがあり、後期密教に見られる発展的な三昧耶戒は、無上瑜伽タントラの特徴を具えているので、「無上瑜伽戒」〔古訳には「無上密戒」ともある。〕とも漢訳される。
基本的に正式な灌頂の儀式や、各個人の導師である阿闍梨の伝統に基づく口伝を通じて、これらの『三昧耶戒』を段階的に授かっていない場合には、僧侶在家の区別はなく、密教の修行はもちろん瞑想や真言(マントラ)を唱えることさえも許されない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「三昧耶戒」の詳細全文を読む



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