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三村明 : ウィキペディア日本語版
三村明[みむら あきら]

三村 明(みむら あきら、1901年1月6日 - 1985年12月23日)は、大正昭和期の撮影監督映画監督日本映画カメラマン創始者の一人〔作家全史、pp.221-222.〕。海外ではハリー・三村(Harry Mimura)の名前で著名。
== 経歴 ==
父は戦艦霧島戦艦日向の艦長を務めた海軍少将・三村錦三郎。広島県安芸郡江田島町(現江田島市)生まれ。1919年(大正8年)逗子開成中学卒業し渡米。1924年シカゴのニコラスセン大学予科卒業。全米で拡がりつつあった排日運動の払拭に、キャメラマンとなってアメリカ人に日本の正しい姿を見せたい、と映画界に入ることを決意したといわれる。
1925年、ニューヨーク写真専門学校映画科で学び、1929年から1934年まで、日本人として初めてニューヨーク・カメラマン・ユニオンに加入。当時市民権を持たない東洋人、及び日本人のユニオン加入は困難を極めた。『レベッカ』などで知られるジョージ・バーンズ(『オー!ゴッド』の俳優とは別人)らに就き、日本人カメラマンとして初めてハリウッドで撮影助手を務め撮影技術を習得。ハワード・ヒューズ監督、ジーン・ハーロウ主演の『地獄の天使/Hell's Angels』、エドモンド・グールディング監督、グロリア・スワンソン主演の第1回トーキー作品『トレスパッサー/Trespasser』、ジョルジュ・フィツモーリス監督、リリアン・ギッシュ主演『SWAN』、ジョージ・バーンズ監督、ロナルド・コールマン主演『曳かれ行く男/Condemned』など、約60本の映画撮影に従事する。
ユニオンのストライキで仕事がなくなり1934年(昭和9年)帰国。同年PCL(東宝の前身)に新型のミッチェルカメラを使いこなせる撮影技師として入社、『絹に泥靴』で撮影デビュー。新しい照明法や女優を美しく見せるクローズアップ撮影などを披露し大きな評判をとった。1936年(昭和11年)の東宝設立で専属となり、この後多くの名作の撮影を担当、トップキャメラマンとして不動の地位を築いた。世界一美しい映画、とも言われる山中貞雄の遺作『人情紙風船』、衣笠貞之助の『蛇姫様』、クライマックスの右京が原の決闘シーンが有名な黒澤明のデビュー作『姿三四郎』、山本嘉次郎の『馬』、『綴方教室』、『ハワイ・マレー沖海戦』、『加藤隼戦闘隊』、神話的大ヒットとなった『支那の夜 蘇州夜曲』、『上海帰りのリル』などでトーキー初期から日本映画の撮影技術の基礎を作った〔。 
またアメリカ映画界に於ける撮影監督の組織や運動を報告し、碧川道夫円谷英二らと共に日本に於ける撮影者集団の組織化に向けて尽力した。
1946年(昭和21年)には進駐軍の戦略爆撃調査団の要請で、郷里でもある原爆投下後の広島の米軍映画撮影隊に日本人として唯一参加、未曾有の惨状をカラーフィルムに収めた。このフィルムは1970年代に日本で公開され大きな反響を呼んだ。また1983年(昭和58年)にアメリカで驚異的な高視聴率を記録したTV映画「ザ・デイ・アフター」の中でも使われたが、アメリカ本国の放送では、この部分はカットされていたという。
1947年(昭和22年)、東宝争議の最中に有志らによって創立された新東宝に加わる。1950年(昭和25年)谷口千吉の反戦映画の傑作『暁の脱走』で毎日映画コンクール撮影賞受賞。1954年(昭和29年)製作を再開した日活に転じ、『消えた中隊』を初監督。劇映画の監督作はこれ一本のみ〔。その後は東京映画、松竹東映を経て1963年、映画界から離れフリーとなった。撮影を担当した日本の劇場用映画は100本を越える。その後は記録映画、短編映画CM撮影・監督などに従事した。また日本映画撮影監督協会(J.S.C)の初代理事長に就任し以降17年間その職にあって、撮影技術機関誌「映画撮影」刊行に尽力するなどした。「映画撮影」は日本唯一の撮影専門誌として現在も年4回の刊行が続く。多くの門下を出したがブルース・リーの『ドラゴンへの道』の撮影など、香港映画で活躍した西本正(賀蘭山)がよく知られている。
1975年(昭和50年)、勲四等瑞宝章受章。
三村明の伝記に『聖林からヒロシマへ(映画カメラマン・ハリー三村の人生)』がある〔工藤美代子著、晶文社、1985年2月〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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