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三波川変成帯[さんばがわへんせいたい]
三波川変成帯(さんばがわへんせいたい)は中央構造線の外帯に接する変成岩帯である。日本最大の広域変成帯とされ、低温高圧型の変成岩が分布する。名称は群馬県藤岡市三波川の利根川流域の御荷鉾山の北麓を源流とする三波川産出の結晶片岩を三波川結晶片岩と呼んだことに由来する。三波川帯とも呼ばれる。中央構造線を挟んで北側の領家変成帯と接する。 == 概要 == 分布は関東山地から一旦フォッサマグナにより寸断され、諏訪湖南方の上伊那で再び現れ、天竜川中流域、渋川を経て紀伊半島、四国、九州の佐賀関に及び、全長約1000kmに達する。さらに広義の三波川変成帯は同様の変成作用を受けている南側の御荷鉾緑色岩帯・秩父変成帯をも含む。さらにその南側に四万十帯が接する。 基盤岩はジュラ紀から白亜紀に低温高圧型の変成作用を受けた結晶片岩からなる〔鳥山隆三 『教養の地学 改訂版』 朝倉書店、1986年〕。四国の三波川変成帯の変成度の高い結晶片岩中の白雲母や黒雲母のK-Ar放射年代は82-102Ma〔1Maは100万年前の地質年代。〕を示し、Rb-Sr放射年代は85-94Maを示す。紀伊半島の結晶片岩中の白雲母のK-Ar放射年代は70-110Maを示し、これらは何れも三波川変成作用が白亜紀後期であることを示している。 南海トラフ沿いのフィリピン海プレートおよびその付加体の沈み込みに伴い、深く沈み込んだ岩石が変成作用を受ける。三波川帯など中央構造線より南側の外帯では地下15kmから30kmの深さで低温高圧型の変成岩が生成され、北側の内帯である領家帯ではプレートの沈み込みの結果生じたマグマの作用により高温低圧型の変成岩が生成する。発熱量の高い放射性同位体を多く含む花崗岩質の陸側のプレートは沈みにくいが、低温で密度の高いフィリピン海プレートは陸側のプレートの下に潜り込むと考えられる〔力武常次 『固体地球科学入門 -地球とその物理-』 共立出版、1994年〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「三波川変成帯」の詳細全文を読む
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