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三酔人経綸問答[さんすいじんけいりんもんどう]
『三酔人経綸問答』(さんすいじんけいりんもんどう)は、明治時代の思想家・中江兆民の著作。1887年(明治20年、兆民41歳)に刊行。内村鑑三・石橋湛山らに先駆け、早い段階で小日本主義を主張していると評価される。 == 概説 == 明治10年代に加熱した自由民権運動が明治政府の国会開設で沈静化すると、運動は条約改正など対外関係における国権論に移行し、民権と国権の折り合いが争点となった。兆民は運動が国権論へ傾くなかに同書を執筆したといわれる。1887年(明治20年)に徳富蘇峰の主宰で兆民も寄稿していた『国民之友』第3号(1887年(明治20年)4月15日発行)に『酔人之奇論』の題名で一部が発表され、5月に集成社から刊行された〔。 3人の思想の異なる登場人物、洋学紳士(紳士君)、豪傑君、南海先生が酒席で議論する物語。紳士君は人類史を3段階に区分し、明治10年代に日本へ紹介されていた社会進化論を用いて、進化を発展の原動力とした。フランス、ドイツなどヨーロッパ列強を批判し、完全民主制による武装放棄や非戦論などの理想論を展開する。これに対して豪傑君が反論し、中国進出を主張。両者の論争を現実主義的立場に立った南海先生が調停する構成である。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「三酔人経綸問答」の詳細全文を読む
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