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三面等価の原則 : ウィキペディア日本語版
三面等価の原則[さんめんとうかのげんそく]
三面等価の原則(さんめんとうかのげんそく)とは、生産面からみても分配(所得)面から見ても支出面から見ても国内総生産(GDP)は同じ値になることを示す、マクロ経済学上の原則である〔中谷、34-35頁。〕〔荒井、137-140頁。〕。都留重人により考案・命名された。

== 生産面から見たGDP ==
「生産面から見たGDP」とは、ある国において様々な生産部門によって生産された付加価値の合計を集約したもの、と定義される〔荒井、135頁。〕〔荒井、137頁。〕〔中谷、31頁。〕。これを解説するに際しては具体例として単純化された経済を想定して述べられることが多いが〔中谷、32-33頁。〕〔荒井、134-135頁。〕、ここではパンの生産だけを行う国の経済を例に挙げて考える。この国は、パンの原材料となる小麦を生産する農家、小麦を粉にする製粉業者、製粉された粉でパンを製造するパン工場、以上3つの経済主体のみの経済活動で構成される国であることを想定する。この経済に対して石油を輸出する外国の石油会社の存在も想定する。さらにこの経済にはパンのみ消費する消費者しか存在しないこととする。
右表において、生産主体が稼いだ金額を生産総額、他の生産主体から購入した原材料費を中間投入、外国の石油会社から購入した石油費用を石油輸入、生産総額から中間投入と石油輸入を差し引いたものを付加価値として示した。生産総額から中間投入と石油輸入を差し引いたのは、生産面から見たGDPはその国の経済において生産されたものと定義されるものであり、外国から輸入した石油や他の生産主体によって生産された中間投入はこの定義に該当しないためである〔中谷、33-34頁。〕。前述の通り生産面から見たGDPは各々の生産段階における付加価値の合計であるから〔〔〔、このパンの生産のみを行う経済の生産面から見たGDPの値は右表において太字で示した付加価値の合計、つまり生産総額(140)から中間投入(60)と石油輸入(30)を差し引いた50ということになる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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